研究課題/領域番号 |
07455369
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山本 隆一 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10016743)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | π共役高分子 / 電荷移動構造 / 有機金属重縮合 / 電気化学的レドックス反応 / 非線形光学 / 光学特性 / 電子供与性アリーレン基 / 電子吸引性アリーレン基 / クロスカップリング / 交互共重合体 / 電荷移動型π共役高分子 |
研究概要 |
π共役系高分子は導電性や光機能を有し、学術的な興味や機能性高分子材料としての期待が近年高まっている。本研究では、主鎖に沿った容易な電荷移動を可能とする新規構造の導電性π共役高分子を設計し、その合成及びキャラクタリゼーションを行ない、特性について検討して、この高分子化合物に特異的な挙動を解明することを目的とした。 我々が独自に開発した有機遷移金属錯体による重縮合反応を用いて、フラン、チオフェン、セレノフェン等の電子供与性芳香環とピリジン、キノキサリン等の電子欠如性芳香環を交互に主鎖に有するπ共役高分子の合成に成功した。一方、これらの芳香環が炭素炭素三重結合で連結された構造のπ共役高分子の合成や、レドックス挙動を示す単量体としてキノン及びその誘導体を構成成分とする高分子の合成も合わせて行なった。これらの高分子は各種の側鎖を導入することによって、溶解性の向上を図ると共に、側鎖の電子供与能、吸引能に応じて芳香環の電子状態を調節することが可能であった。 チオフェンとピリジンを交互に主鎖に有する高分子を電気化学的な酸化還元に供したところ、通常のレドックス反応から予想されるよりもはるかに大きな電位差を有する酸化と還元を示し、酸化された状態での主鎖中で電荷移動によって、新しい電子状態の発現が示唆された。この電荷移動現象は光学的性質にも大きく影響し、例えば上の高分子の3次の非線形光学感受率は、それぞれの構成成分からなるポリチオフェン、ポリピリジンよりもはるかにすぐれている。 本研究では、有機金属重縮合法の特性を活かし、異種芳香環の配列を精密に制御することによって、電荷移動構造型π共役高分子という新規概念に基づく有用な機能性材料を創製することができた。
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