研究課題/領域番号 |
07455376
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
井上 賢三 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90044106)
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研究分担者 |
板屋 智之 愛媛大学, 工学部, 助手 (80263961)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ポリアミノ酸 / 星型ポリマー / 二次構造 / 3α-ヘリックスバンドル構造 / シクロトリホスファゼン / 光学異性体選択透過膜 / α-ヘリックス / バンドル構造 |
研究概要 |
ホスファゼンを核とする分子量の揃った星型ポリアミノ酸を合成し、ポリマー構造と二次構造、溶液挙動及びこのポリマー側鎖にエチレングリコール鎖を導入したポリマーによる光学異性体(D,L-トリブトファン)の膜分離について研究を行った。開始剤且つ核となるホスファゼンとしてヘキサキス(4-アミノフェノキシ)シクロトリホスファゼン(AOP)とヘキサキス(4-ペンジルアミノ-1-オキシ)シクロトリホスファゼン(AMOP)を、モノマーとしてγ-べンジル-L-グルタミン酸の酸無水物(BLC・NCA)を用いてDMF中で重合を行いポリマーを合成した。いずれの開始剤でもホスファゼンを核とする6本鎖ポリグルタメート(S・PBLG)が得られ、それらは右巻きのα-ヘリックス構造をとることが各種スペクトルから明らかとなった。|BLG-NCA|/|AMOP|=10としてNMRスペクトルを測定するとAMOPのアミノ基は直ちに消失しこの時の重合率は57%であった。また|BLG・NCA|/|AMOP|=30〜500で得たポリマーの分子量は計算値とよく一致し、分散度(M_w)/M_n)はM_w)/M_n=1.1-1.3と狭い分子量分布を示した。これらのことからAMOPから合成したS-PBLGのポリグルタメート鎖はよく揃い、平面構造をとるホスファゼン環の上下に3αヘリックスバンドル構造を形成しているものと思われる。このポリマー末端に蛍光プローブであるピレンを導入したS-PBLG-Py及び加水分解したポリグルタミン酸のエキシマー蛍光挙動からもこれらポリマーはヘリックスバンドル構造をとっていることが示唆された。さらにS-PBLGの側鎖にトリエチレングリコール鎖を導入した膜を用いてトリプトファンの分離を行ったところ、D一体のみが透過しほぼ完全な光学分割が可能であった。この結果は合成したポリマーが3α-バンドルヘリックス構造をもつため容易に高次秩序化構造を構築し、ヘリックス構造に由来する分子認識場を形成し不斉認識機能を発揮しているものと考えられる。このようにホスファゼン環を開始剤且つ核とするBLG・NCAの重合で容易に3α-バンドルヘリックス構造を持つポリグルタメートが合成でき、その螺旋構造集合化に基づき高い不斉認識能をこのボリマ-が有することを見いだした。
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