研究課題/領域番号 |
07455386
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
彦坂 正道 広島大学, 総合科学部, 教授 (60087103)
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研究分担者 |
高橋 正人 信州大学, 繊維学部, 助教授 (20188056)
戸田 昭彦 広島大学, 総合科学部, 助教授 (70201655)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1996年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1995年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 高分子 / 結晶化 / 分子量 / 拡散 / 界面 / 液晶化 / 比熱 / 吸着 / 滑り拡散 |
研究概要 |
高分子の結晶化速度が分子量に著しく依存することは、既に50年も前から良く知られており、実用上も重要であるにもかかわらず、そのメカニズムは未だに謎である。われわれは本研究で「結晶化速度がなぜ分子量に依存するのか?」という謎に挑戦し、解明することに成功した。 われわれは「液体と結晶との界面での、高分子鎖の"滑り拡散"過程が、結晶化速度の分子量依存性を決定づけている」という解答を初めて提出した。 ここで"滑り拡散"とは、(彦坂が1987年に初めて結晶化機構に取り入れることに成功した)高分子特有な「分子鎖軸に沿った拡散運動」であり、高分子鎖が結晶内や界面上などのように、ある規則性を持った場の中で拡散する場合に(原子が繋がっているという高分子鎖のトポロジー的な本性のために)必ず考えなければならないものである。 本研究は、代表的な結晶性高分子であるポリエチレン(PE)を用いて行った。この結論は、分子量を変えた場合の結晶化速度の変化が、結晶相の秩序度に強く依存するという興味深い実験結果から、直接的に得られたものである。この結果は、分子量依存性に対して従来提案されていた「融液内の自己拡散決定説」によっては説明出来ないことを明確に示した。 こうした界面拡散過程の実体解明は、常圧・高圧結晶化に対する光学・電子顕微鏡法、新たに開発した高圧下での結晶化挙動を精密に測定できる高精度高圧示差熱分析装置、結晶化過程における比熱測定を初めて可能にした新開発の温度振動型熱測定解析法などを用いて実行されたものである。
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