研究概要 |
次世代の半導体素子は,プリント基板に実装された後に樹脂で上から基板ごとコーティングするタイプが増加すると考えられている.また,高温用タービンブレートは,耐熱性のセラミック材料を溶射によって金属基材にコーティングする.このような場合は,コーティング層の強度特性評価を充分に行わないと,材料の信頼性が得られない.そこで,コーティング層の機械的特性と湿度や応力による劣化の評価を行なうことが重要である.本研究では,金属のベース材料にコーティングが施された場合の,コーティング層の機械的特性と湿度や応力による劣化の評価を行った. 本研究の成果を以下の通りである. (1)収集した情報に基づいて,コーティング素材の選定を行い,コーティング母材の試験片を製作した. (2)曲げ試験を行い,荷重-たわみ関係等を測定した. (3)x線応力測定装置で試験片表面のコーティング層の残留応力を測定した. (4)残留応力の測定結果を基に,破断荷重をワイブルプロットにより整理し,統計的な処理によって一般化破断荷重を決定できることを明らかにした. (5)ワークステーションを用い,材料中の各層ならびに層間に働く応力分布を弾性論にもとずく数値解析によって明らかにした. (6)各試験前後の試験片のコーティング層の界面を走査型電子顕微鏡で詳細に観察し,メカニズムを解明した.
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