研究課題/領域番号 |
07455417
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梶谷 剛 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80134039)
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研究分担者 |
宮崎 譲 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40261606)
小野 康弘 (小野 泰弘) 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30211832)
社本 真一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90235698)
伊藤 正 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60004503)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 半磁性半導体 / II-VI族化合物 / 磁性クラスター / スピングラス / 中性子回折 / 冷中性子散乱 / PPC / 磁気クラスター / 中性子散乱 / 磁気準弾性散乱 / 反強磁性 / 常磁性 / 磁的化測定 / 単結晶 |
研究概要 |
本研究はII-VI族化合物半導体に磁性イオンを添加して磁性と光物性とがどのように結合しているのかを主として中性子回折並びに散乱測定によって研究しようとしたものである。本研究にはZn_<-x>Mn_xTe(x=0.3-0.6)を典型物質に選び、各種の測定を行った。この系は室温では常磁性状態だが低温領域でスピングラス相に転移することが知られている。実施した実験は、粉末X線回折、粉末中性子回折、SQUIDを用いた帯磁率測定、単結晶中性子回折、冷中性子散乱測定、光伝導測定である。結晶試料の格子定数と磁化率をを測定して試料の科学組成とスピングラス転移温度を決めた。粉末中性子回折測定を行った所、スピングラス転移温度以上の温度領域にもかなり強い時期散漫散乱強度が現れた。これは、この領域で、Mn原子同士に短範囲磁気秩序が現れていることによる。この散漫散乱強度が現れる波数領域を特定するために単結晶中性子回折測定を行った。測定は零磁場と5Teslaの磁場中で行った。測定の結果この散漫散乱強度は逆格子の1 1/2 0点(W点)近傍に現れる事が分かった。この逆格子点はブラベクラスFの結晶におけるtype-III型の反強磁性磁気秩序に特有のものである。この結果は同型結晶であるCd_<1-x>Mn_xTeについて得られている知見と共通している。本補助金により、光励起量子について知見を得たいと考えてBrillouin散乱装置を整備した。在来の3パス式ファブリー=ペロ-干渉分光計を改造して測定精度を上げるために5パス式とし、Arレーザーも新規購入した。この装置の性能を確認する目的から、4000Oeの磁場中でFe_<3-x>Mn_xSi系の単結晶を用いた強磁性マグノンの測定を行った。未だZn_<1-x>Mn_xTeの磁気励起を直接測定するに至っていないが、Brillouin散乱測定装置を冷中性子散乱装置と平行して利用することが可能になった。中性子非弾性散乱実験を上記Zn_<1-x>Mn_xTe試料について行い、逆格子点 11/20点近傍にspin glass転移に伴う臨界散乱現象を発見した。臨界散乱は中性子の準弾性散乱として観測されている。これはMn原子の持つ磁気モーメントの事故相関関数に時間発展があり、spin glass転移温度付近ではフラストレートしている複数種類の磁気相関に動的要素があることに対応している。 この種の化合物半導体についての観測は本研究が始めてである。 この系において4885,5145および6328Aの波長を持ったレーザー光を入射して室温から20Kまでの電気抵抗率の光照射効果を研究した。その結果、この試料にpersistent photoconductivityがあり、特にZn_<1-x>Mn_xTe(x=0.43)では150K以下の領域で顕著である事を発見した。
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