研究課題/領域番号 |
07456040
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松本 英明 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (80026418)
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研究分担者 |
馬 建鋒 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (80260389)
山本 洋子 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (50166831)
江崎 文一 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (90243500)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 酸性土壌 / アルミニウムストレス / 障害 / 耐性機構 / 有機酸 / 分泌 / 耐性植物 / 有機酸分泌 / 耐性遺伝子 / 酵母 / 根伸長阻害 / アルミニウム毒性 / アルミニウム耐性 / リグニン / 細胞死 / 脂質過酸化 / 鉄イオン |
研究概要 |
Al耐性の機構については様々な考え方が提唱されているが、統一的な概念がまだ得られていない。今回は、Alを大量に蓄積することが知られる西洋アジサイ(ハイドランジャ)を用い、植物体内でAlとキレート結合を生成している物質を検索することを中心に行った。生葉中の^<27>Al-NMRスペクトルの結果から3つのピークが認められ、主要なものは12.4ppmでAlは六位配位の化学的形態であった。抽出した細胞溶液中のAlのシグナルは11.3ppmに認められ、生葉中の形態とほぼ一致した。Al複合体のリガンドを同定するため、粗抽出液を高速液クロで分画すると有機酸に相当するいくつかのピーク(425nm)が認められた。さらにSephadex G-10で精製すると保持時間8.8分にピークを認め、このピークには粗抽出液中の80%のAlが含まれていた。さらに、Sephadex G-10で精製すると8.8分にのみ単一のピークを認め、全体の65%のAlが含まれていた。このサンプルの^<27>Al-NMRのケミカルシフトは10.9ppmに認めた。さらにこのピークを同定するため、標準物質としてクエン酸をHPLCで分析すると、8.8分の所に溶出した。Al-クエン酸(1:1)複合体の^<27>Al-NMRのケミカルシフトは10.7ppmに認めた。さらにリガンドの構造を明らかにするため陽、陰イオン樹脂を用いて純化したものをイオン排除HPLCで分画した結果、単一のピークを与え、クエン酸と一致した。また^1H-NMRスペクトルの結果から、純化したリガンドは2.14ppmと2.92ppmにケミカルシフトを与えた。また陰イオンFABマススペクトルの結果から、純化したリガンドはイオンピークとしてm/z 191の値を与えた。以上の結果から、アジサイ葉中のAlの大部分はクエン酸と1:1の割合で結合していることが明らかになった。トウモロコシ根の伸長は20μM Al、22時間処理により50%の伸長阻害を示したが、ハイドランジャの細胞溶液中から分離したAl複合体(20μM Al)は伸長の阻害を起こさなかった。これらの結果からハイドランジャは大量のAlを含んでいるにもかかわらず、細胞内でクエン酸とキレート結合して無毒化することによりAlストレスに対して抵抗性を獲得していることが明らかになった。
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