研究課題/領域番号 |
07456128
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
斉藤 昌之 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (80036441)
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研究分担者 |
森松 正美 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (70241370)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1996年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1995年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | ストレス / リンパ球 / 交感神経 / サイトカイン |
研究概要 |
免疫機能がストレスによって抑制されることが知られているが、本研究の目的はその神経内分泌機構についてサイトカインの役割を中心に解明することである。従来までの研究で、ストレスによる免疫抑制の実験モデルをラットとマウスで確立し、脳から末梢リンパ球へのストレス情報経路として交感神経が重要であることを明らかにした。そこで、本研究では、脳を電気的あるいは化学的に刺激した時の末梢免疫系の応答と交感神経の関与について検討し、以下の知見を得た。 ラットの視床下部のさまざまな部位を電気刺激して、脾臓リンパ球活性を測定したところ、交感神経の中枢である腹内側核の刺激によって強い抑制が起こった。この効果は副腎摘出によっては影響されないが、交感神経切除で消失した。この結果はストレス負荷の場合と同様であり、腹内側核がストレスによる免疫抑制の中枢部位であると思われた。 脳内にインターロイキン(IL)-1を投与するとやはり免疫抑制が起こるが、同時に脾臓や肝臓のIL-6の発現が亢進することを見いだした。ストレス負荷によっても同様であった。 このIL-6応答もやはり神経節遮断薬で消失し交感神経の関与が示唆された。これらの結果から、ストレスが視床下部の腹内側核やIL-1を経由して交感神経を活性化し、末梢の免疫系の細胞活性を抑制すると結論した。特にIL-1がストレス応答の脳内メディエーターの一つである可能性が示されたことは、脳と免疫を結ぶ鍵分子としてのサイトカインという新しい観点で注目すべき結果であろう。
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