研究課題/領域番号 |
07456159
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
神山 恒夫 国立感染症研究所, 獣医科学部, 室長 (70100071)
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研究分担者 |
松浦 喜治 (松浦 善治) 国立感染症研究所, ウイルス第2部, 室長 (50157252)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 人獣共通感染症 / バベシア / サイトカイン / T細胞クローン / 血清疫学 / バベシア症 / Babesia microti / 原虫 / バベシア原虫 / TGF |
研究概要 |
B.microtiは野ネズミを自然宿主とし、マダニの吸血によって媒介されてヒトへ伝播する人獣共通原虫感染症の病原体である。本症は欧米では免疫低下宿主を中心に死亡例を含む多数の症例があり注目されているが、わが国ではヒトの感染例は確認されていない。しかし国内の野ネズミに本原虫が検出されていること、およびダニ媒介性感染症が増加していることから本症についても新しい人畜共通伝染病として警戒する必要がある。 本研究では本原虫に対する免疫防御にかかわるT細胞サブセットを明らかにし、次いで特異CD4陽性T細胞クローンを樹立してその感染防御作用を免疫不全宿主に対する移入実験によって明らかにすることを目的とした。さらに得られた成績をもとに血清疫学的手法によってわが国における本原虫の存否を明らかにすることを目的とした。 正常およびSCIDマウスなどを用いて感染後のサイトカインならびにT細胞サブセットの動態を明らかにし、特異的不細胞クローンを樹立した。その結果、感染防御にはCD4陽性T細胞が必須であるが、CD8陽性T細胞は全く役割を果たしていないことが明らかとなった。サイトカインとしてはTh1タイプのサイトカインが重要であることが明らかになった。 樹立したT細胞クローンはすべてCD4陽性で、種々のレベルでIFNを産生することが明らかとなった。これら細胞をSCIDマウスに受け身移入した後原虫攻撃を行うことによって各クローンの感染防御能を測定したところ、CD4T細胞が本原虫感染に対して防御能を担っていることが初めて直接的に証明された。 野外マウスの抗体をウエスタンブロッティング法によって調べた結果、被検血清の中に約30-100kDaの抗原を認識するものが見いだされ、わが国にもB.microtiが存在することを示唆された。
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