配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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研究概要 |
血液・組織関門における糖輸送の分子機構をアイソフォーム特異的な抗ペプチド抗体を作製して免疫細胞化学的に検討した.単層の上皮や内皮が関門をなす系では糖輸送体GLUT1が関門細胞の頂部と基底側壁部の両ドメインに局在した.二層の上皮が関門をなす眼球の毛様体上皮(血液・眼房水関門)では関門の両端に位置する細胞膜がGLUT1強陽性であった.二層の細胞が接する頂部細胞膜にはコネキシン43からなるギャップ結合が発達していて、「GLUT1→コネキシン43→GLUT1」という様式で糖が二層の毛様体上皮を通過すると考えられている.ラット胎盤(胎盤関門)においては「GLUT1→コネキシン26→GLUT1」の順に関門(二層の合包体細胞層)に分子が配列していて,毛様体と同様に糖の選択的な関門通過に関与していると考えられる.以上二つの系で示されたように,二層の細胞層からなる関門における比較的定分子量の物質の通過には,「特異的な輸送体(またはチャンネル)」と「コネキシンアイソフォームからなるギャップ結合」による.この系では,関門の通過の特異性は輸送体の特異性により決定され,コネキシンは非特異的なチャンネルとして機能している.次にこのような上皮や内皮細胞における糖輸送体の細胞膜での局在を規定している分子機構を明らかにするために,糖輸送体GLUT1,GLUT5ならびにそれらのキメラ遺伝子を作製して培養上皮細胞に発現させ,その局在を免疫組織細胞化学的に解析した.GLUT1やGLUT5遺伝子は,生体内におけるのと同じドメインに局在し,これらの分子にそれ自身の局在を決める情報が含まれているのがわかった.キメラ遺伝子の発現実験により輸送体の分子の細胞質ループドメインが局在決定に重要であるのが判明した.
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