研究概要 |
400例を越える症例についての臨床像については、これまでに得られている成績と同様に若年成人女性の頚部に主に見られ、白血球減少を伴い、一部に皮疹を認めるという臨床像は同様であった.組織学的には、芽球化細胞が増加し、壊死の傾向に乏しい基本的な組織像を示す症例が増加している.病変部に多数みられるアポトーシスを示す細胞は主に増殖しているCD8陽性細胞であり、アポトーシスの形式はgranzime B,perforin が関与する系とfas,fas ligandが関与する2つの系ともに見られることが明らかとなった.このことは本疾患の発生機転にウイルスの関与を示唆する成績であった.ヒトヘルペスウイルス6型については、特にこれまでの成績と差異は見られないが、同ウイルス急性感染で皮疹とリンパ節腫大を示した若年成人の症例のリンパ節病変は、傍皮質拡大を示し、免疫芽球反応を示すウイルス感染像を示したが、本疾患と同様な病変を認め得なかった.最近幾つかの報告のみられるパルボウイルスB19との関連に関しては、本疾患症例のリンパ節では、免疫反応陽性細胞の存在を認めるが、陽性反応を示す細胞は病変部よりむしろ非病変部に多く、さらに本疾患以外のリンパ節にも同様な反応を示す細胞を多く認め、その出現率に差異を認めないことから、非特異的な不顕性感染と考えられ、本疾患との関連は明らかでなかった.HLAとの関係については80例のリンパ節より抽出したDNAについて検索中である.A11ならびにDR12が高率に見られ、A24の頻度が低いとの成績はあるがDRB,DQA,DBならびにDR-DQ,DQA-DQBの連鎖平衡に関しての検討では日本人の平均的頻度分布との間に有意差は見られなかった.DQA-1-0103,0302,DQB1-0601は比較的高率に、そしてDQA-1-DQB1の連鎖平衡では0103-0601が高率に見られた.
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