研究課題/領域番号 |
07457054
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
脇坂 明美 北海道大学, 医学部, 助教授 (90113646)
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研究分担者 |
田代 邦雄 北海道大学, 医学部, 教授 (90002154)
池田 仁 北海道大学, 医学部, 助手 (20232192)
吉木 敬 北海道大学, 医学部, 教授 (60220612)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1995年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 遺伝子性脊髄小脳変性症 / 連鎖解析 / CAG反復配列 / 創始者効果 / 診断基準 |
研究概要 |
遺伝性脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration:SCD)とは、おもに小脳系の変性を中心とする複数の疾患群の総称で、各疾患(病型)には特異的な遺伝子異常が想定されている。我々は日本人におけるSCDで最も頻度に高い遺伝性OPCA、MJDの遺伝子解析を行なった。先ずこれらの遺伝子のfine mappingを目的に、SCA1(12家系)、SCA2(7家系)およびMJD(22家系)各疾患遺伝子と密に連鎖する遺伝標識を検索し、その遺伝子型(haplotype)を決定した。その結果、SCA1、MJDではhaplotypeに家系を越えて統計学的に有意な類似性が見られ、かつSCA1は宮城・山形県、MJDは富山・新潟県出身者に多いという強い地域的な偏りがあることを見出した。これは日本人のSCA1、MJDが各々独立した共通の祖先を起源とする可能性を示唆している。特にSCA1では患者全員が同一遺伝子型を有し、約17世代前に塑る共通の祖先から由来すると計算された。SCA2でも患者間に遺伝子型の類似性が見られたが、出身地にばらつきがあり、SCA1同様に共通の祖先から由来するとしてもその成立年代はより古いと推定された。 SCA1、MJDについては研究の最中、予想された如く(CAG)反復配列の異常増幅が原因であることが明らかにされ、我々もこれを確認した。更に収集した多数の症例につきCAG反復回数を算定し、発症年齢との逆相関現象、また臨床像との密接なる関連を見出した。この成績を基に現在SCD各病型の神経病理学的、臨床症候学的診断基準を提唱している。 ここにきて、日本人におけるSCDについては、Holmes型失調症遺伝子が依然未知のまま残されているが、ほぼその概念が固まったと言える。今後これらの成果を、臨床の現場に役立てることが必要となってきた。
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