研究課題/領域番号 |
07457060
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
吉永 秀 熊本大学, 医学部, 教授 (90040196)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 炎症 / サイトカイン / TNF / IL-8 / IL-1 / I-1ra / TNFα / IL-lβ / IL-lra / IL-1β / IL-1ra |
研究概要 |
炎症初期のメディエーターの発現と機能を検索し、一般的な急性炎症の展開を規定しているメカニズムを知るために、ウサギの炎症浸潤細胞から作成した遺伝子差し引きライブラリーによって検出されたサイトカインTNFα、IL-1β、IL-8、IL-1raを候補として、これらの組換体、抗体を作成し、LPSによって起こした急性炎症について、これらのサイトカインmRNAの発現およびタンパクの産生動態、産生細胞を検索した。さらに、これらのサイトカインの機能を阻止した場合の炎症反応の変貌から、これらのサイトカインの炎症反応発現における役割を明らかにした。その結果、炎症の初期(2時間)に産生されるサイトカインはTNFαおよびIL-8で、IL-1βはこれらに遅れて約6時間でピークに達する。また、IL-1raは炎症の早期から、炎症が消退した後期まで大量に産生されている。また、初期のTNFαおよびIL-8は浸潤した白血球によっては産生されておらず、組織に存在している組織単球系の細胞によって産生されている。一方、IL-1βおよびIL-1raは浸潤した好中球およびマクロファージによって産生されている。また、TNFαおよびIL-8の機能を阻止すると、IL-1βおよびIL-1raの産生はほとんど完全に抑制され、早期の白血球浸潤は阻止されたが、後期のそれは一部しか阻止されなかった。逆にIL-1を阻止してもTNFαおよびIL-8の産生は阻止されなかったが、白血球の浸潤は強く阻止された。また、IL-1raの阻止によって炎症は憎悪した。したがって、TNFαおよびIL-8は炎症導入期に、IL-Iβは増幅期に役割を果たし、IL-1raは炎症の制御に役割を果たしていることが明らかになった。
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