研究課題/領域番号 |
07457062
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
森 道夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00045288)
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研究分担者 |
小海 康夫 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20178239)
小山田 正人 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (30183255)
澤田 典均 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (30154149)
服部 淳夫 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90208538)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | タイト結合 / バリア機能 / ヒト大腸癌 / 細胞極性 / 異型性 / 細胞間物質透過 / 閉塞性黄疸 / 分子病理学 / バリアー機能 / バリアー調節因子 / 分子モーター / 細胞接着 / ギャップ結合 / 7H6抗原 / 染色体凝集 / 転移抑制 / 細胞接着装置 |
研究概要 |
我々が見出した新しいタイト結合蛋白質7H6抗原の分子機構の解明を中心に、細胞間相互接着分子の構造と、その破綻による病態発生の分子機構の研究を行った。 1.7H6抗原の分子構造 生体バリアの重要な担い手であるタイト結合の機能分子7H6抗原のcDNAをクローニングし、その構造解析から、本分子が分裂酵母などの染色体凝集に働くSMCファミリー蛋白と高い相同性を示す分子モーターであることを明らかにした。 2.肝、消化管のバリア機構と病態の解析 消化管粘膜上皮のバリア機能の発達と、7H6抗原のタイト結合への局在が相関することを、ニワトリの孵化後の腸管及び、ラット腸上皮細胞株IEC-6のin vitroの系で認めた。また後者を用いて、エンドトキシンを腸上皮の基底側の細胞膜に作用させると、粘膜のバリア機能が低下し、7H6抗原のタイト結合からの分散が生ずること、総胆管結紮後の胆汁漏出に伴って7H6抗原の肝毛細胆管周囲からの分散が生ずることから、消化管粘膜、肝の強いバリア機能の形成、維持に7H6分子の局在が必要であること、及び胆汁の漏出、エンドトキシンによる腸管粘膜の透過性亢進に際して、タイト結合関連蛋白の局在変化が生ずることを明らかにすることが出来た。 3.癌の異型性、転移とタイト結合の関連 癌細胞の特徴の一つである極性の喪失とタイト結合蛋白の発現、局在ついて検討し、ラット肝発癌過程、ヒト肝癌、ヒト大腸癌細胞株、minマウスの大腸癌において、発癌過程の進行及び分化度の低下に伴うタイト結合蛋白の発現異常を確認した。一方、血管内皮や、腹膜中皮細胞のバリア機能の増強が、癌細胞の細胞下へのもぐり込みを抑制することをin vitroのアッセイ系で確かめ、血管や腹膜のバリア機能の増強による癌の血行転移、腹膜播種の抑制の可能性を示唆した。
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