研究課題/領域番号 |
07457065
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
守内 哲也 北海道大学, 医学部, 教授 (20174394)
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研究分担者 |
岡田 太 北海道大学, 医学部, 助手 (00250423)
浜田 淳一 北海道大学, 医学部, 講師 (50192703)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1996年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1995年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | LECラット / 活性酸素 / グルタチオン・ペルオキシダーゼ / p53 / グルタチオン・ベルオキシダーゼ |
研究概要 |
肝癌の自然発症モデルであるLECラットでは、細胞型グルタチオン・ペルオキシダーゼ(GSH-Px)の発現が先天的に低下している。我々はp53ノックアウトマウスでもLECラットと同様にGSH-Px活性が約30-40%肝臓でのみ低下していることを見出した。本年度は1)GSH-Pxの発現とp53との関連と2)GSH-Pxの発現低下とLECラットの肝炎・肝癌発生との関連について研究した。GSH-Px遺伝子の5′上流域2kbのdeletion mutantsを作製し、これらのDNA断片をルシフェラーゼ遺伝子に連結した。そして野生型および変異型p53cDNAをラット肝癌細胞で過剰発現させてGH-Pxプロモーターのルシフェラーゼアッセイを行った。その結果、野生型および変異型p53の両方で同等のシルフェラーゼ活性の上昇が認められた。この結果から、p53のN-末端にあるactivation domainがGSH-Pxの発現を促進していることが示唆された。GSH-Px活性は飼料中に含まれるセレニウム濃度によっコントロールすることができるので、セレニウム欠乏食飼育群(GSH-Px活性低下群)と補充群のLECラット(対照群)で、肝炎と肝癌の発生率を調べる実験を行った。その結果、意外なことにセレニウム欠乏食飼育LECラットの方が補充群のLECラットに比べて有意に肝炎の発生が遅延した。肝癌の発生に関しては、実験開始後まだ1年6カ月経過していないめ経過観察中であるが、ER-1細胞でのin vitroの実験からセレニウム欠乏食飼育LECラットでは発癌が促進されると予測される。ラットの乳癌細胞ER-1は自然退縮型腫瘍であるが、増殖因子EGFを一ヶ月間in vitroで作用せせると悪性化して宿主を殺すまで増殖を続ける。しかし、この細胞にEGFと共にセレニウムを添加して培養すると細胞内の過酸化水素の産生が抑制され、悪性化も起こさないことが見出された。またヒドロキシルラジカルでDNAが修飾されて生じる8-ヒドロキシグアニン量も抑制された。
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