研究課題/領域番号 |
07457082
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐竹 正延 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (50178688)
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研究分担者 |
仁木 賢 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (60241626)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 転写因子 / Tリンパ球 / 造血幹細胞 / 遺伝子ターゲティング・マウス / PEBP2 |
研究概要 |
1. デフィニティブな造血の発生には、PEBP2遺伝子の機能が必須である。 PEBP2αB(=AML1),PEBP2β遺伝子の各々の、遺伝子欠損マウスを作製した。両者ともにホモ個体は脳室内への出血を伴い、12.5日令で胎生致死となる。またプリミティブな赤血球は認められるが、肝におけるデフィニティブな造血像は殆ど認められない。PEBP2転写因子はα・βサブユニットのヘテロダイマーとして存在する。各々のサブユニットの遺伝子破壊が類似の表現型を示すことは、デフィニティブな造血を担う転写因子機能にとって、各サブユニットが必須かつ等価であることを示唆するものである。 2. T細胞ハイブリドーマのアポトーシスの系において、PEBP2αB/AML1遺伝子の発現は特徴ある変動を示す。 転写因子をコードするPEBP2αB/AML1遺伝子の、Tリンパ球刺激時における変動を、ノーザン解析により調べ以下の結果を得た。 (1)脾細胞のConA刺激により、PEBP2αB/AML1転写産物の量が上昇する。この現象は、c-myb転写産物の上昇よりも早期にみられること、蛋白合成阻害剤の存在下でもみられること、ConA刺激後に細胞をG1期に同調させた後にIL2刺激をした場合にはみられないことから、PEBP2αB/AML転写産物の増加はTCR刺激のシグナルによるものと示唆された。 (2)CTLL2細胞を同調させた後に、IL2刺激により細胞をG1→S期に移行させた場合には、PEBP2αB/AML1転写産物の量は変わらない。 (3)ELA細胞を抗CD3抗体処理してIL2産生を誘導した場合にもPEBP2αB/AML1転写産物は変わらない。 (4)DO11.10細胞を抗CD3抗体処理してアポトーシスを誘導した場合にのみ、(1)で観察されたのと同様に、PEBP2αB/AML1転写産物量の増加が観察された。そしてこの増加は、Fas・Fasリガンド転写産物量の増加とほぼ同様の時間経過をもってみられた。 以上によりT細胞ハイブリドーマのアポトーシス誘導系において特異的に、TCRシグナルにより、PEBP2αB/AML1転写産物量が増加することが明らかとなった。今後は本所見と、Fas・Fasリガンド遺伝子発現の誘導及びアポトーシスとの機能的関連を解析していきたい。
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