研究課題/領域番号 |
07457090
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
小幡 裕一 愛知県がんセンター, 免疫学部, 室長 (30177290)
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研究分担者 |
土井 了 愛知県がんセンター, 免疫学部, 主任研究員 (60227684)
高橋 利忠 愛知県がんセンター, 副所長 (00124529)
辻村 邦夫 愛知県がんセンター, 免疫学部, 主任研究員 (10227407)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 生体防御 / マウスTL / 非古典的MHCクラスI分子 / γδT待望 / 胸腺内選択 / αβT細胞 / 遺伝子導入マウス / 抗原分子 / γδT細胞 / マウスTL抗原 / 非古典的MHCクラスI抗原 / 抗原ペプチド / TCR / 遺伝子欠失マウス |
研究概要 |
免疫生体防御における非古典的MHCクラスI分子の役割を解明するため、その代表ともいえるマウスTL分子のT細胞分化における役割の解明、TLと結合する抗原分子の単離・同定、さらにT細胞のTL分子認識機構を明らかにすることを試み、以下の結果を得た。 1.胸腺に発現するTL分子によるγδT細胞の選択 正常胸腺に発現するTL遺伝子(Tla^a-3)を導入した2系統のマウスを、C3Hを宿主として作出した。1系統では、胸腺の発育異常が起き、T細胞の分化がγδ経路に偏向していた。他の系統は、γδ経路への著名な偏向は示さなかったが、TL分子を認識する細胞傷害T細胞(CTL)の誘導実験で、このマウスからはγδCTLが特異的に誘導できることが明らかとなった。TL遺伝子導入マウス2系統の以上の解析結果から、胸腺に発現するTL分子はγδT細胞を選択すると結論された。 TL分子に結合し、TCRへ提示される分子の同定 TL陽性細胞(1×10^<11>)からTL分子を単離し、結合していると推定されている個々のアミノ酸配列の決定と結合モチーフの決定を試みた。コントロール実験として行ったH-2K^b結合ペプチドの解析が容易であったのに対し、TL結合ペプチドの解析は困難を極めている。したがってTLはH-2K^bとは異なり、(1)N末端が修飾されているペプチドが結合している、(2)非ペプチドの分子が結合している、(4)結合している分子は存在しないなどの可能性が示唆され、継続して研究を行っている。 TLに対するCTLの認識機構と細胞傷害機構の解析 (a)細胞傷害機構のメカニズム:γδT細胞がTL遺伝子導入マウスで誘導される以外、TLを認識するCTLは大部分はαβT細胞である。TLを認識するRαβCTLの解析を行い、すべてのTL陽性細胞に対して細胞傷害活性を示す群(Type I CTL)と、Fasを発現するT陽性細胞に対してのみに活性を示す群(Type II CTL)が存在することが明らかとなった。Type I CTLはパ-フォリンを用いて、一方Type IICTLはFasLによって、標的細胞を傷害する。細胞傷害のメカニズムの使い分けの原因としてはTL分子とTCRのaffinityの差、TL分子に結合する抗原分子の差などが考えられた。 (b)CD4T細胞の関与:TL分子はMHクラスIに属するにもかかわらず、移植拒絶抗原と認識されるためまたCTLを誘導するためには、CD4T細胞の関与が必要であった。このことはTLに対するCD8エフェクターT細胞の前駆細胞が少なく、十分な活性を示すためにはCD4ヘルパーT細胞を必要とするためと理解された。
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