研究概要 |
抗酸化ビタミン・脂肪酸摂取について、我々が開発した半定量的な食物摂取頻度調査票(FFQ)の妥当性を評価する目的で、岩手二戸、秋田横手、長野佐久、沖縄石川の4保健所管内の中年期の夫婦120世帯を対象に、年2回(2、8月)の採血、年4回(2,5,8,11月)の7日間秤量食事記録調査(DR)を実施し、各法で得られた摂取に関する情報を比較した。血液に関しては、高速液クロで血漿カロテノイド(β-、α-カロテン)を、比色計で血清アスコルビン酸を、また、血清脂肪酸をガスクロで測定した。 FFQによって推定された抗酸化ビタミン摂取量とDRから計算された抗酸化ビタミン摂取量との相関係数は,エネルギー調整をした場合,男性ではカロテン,ビタミンCとも0.44で、女性では各々0.39、0.23であり、女性のビタミンCは相関が低いがほぼ妥当であると考えられた。脂肪酸摂取量についての相関は,総脂肪酸摂取量で調整した場合,男性ではEPA,DHAが各々0.47、0.46で、女性では各々0.52、0.47であり、ほぼ妥当であると考えられた。 FFQによって推定された抗酸化ビタミン摂取量と生化学的指標との相関係数はエネルギー調整をした場合、男性ではβ-カロテン,α-カロテン、ビタミンCは、各々、0.19、0.36、-0.19で、女性ではそれぞれ-0.02、0.21.-0.13であり、男性のα-カロテンでは相関がみられたが,その他に良い相関はみられなかった。脂肪酸摂取量については、脂肪酸組成のEPA,DHA摂取量との相関は,各々0.47、0.41であり、ほぼ妥当であると考えられた。
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