研究課題/領域番号 |
07457153
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金澤 一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30110498)
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研究分担者 |
後藤 順 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10211252)
貫名 信行 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10134595)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | ハンチントン病 / マシャド・ジョセフ病 / CAGリピート病 / DRPLA / 蛋白発現 / 多型 |
研究概要 |
本研究では、近年注目されてきたCAGリピート病のうち、ハンチントン病(HD)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)及びマシャド・ジョセフ病(MJD)の3疾患について、その分子細胞生物学的検討を加えた。HDは、第4染色体短腕先端部に局在するIT15遺伝子内のCAGリピートが正常域(9〜28)を越えて異常域(38〜98)にあることによって発病することがわかった。この遺伝子異常は、近傍のハプロタイプ解析の結果、本邦のハンチントン病遺伝子の起源が複数あることが判明した。また、IT15遺伝子の遺伝子産物(ハンチンチン)が実際に正常及び異常の長さのグルタミン鎖をもつ蛋白として発現しているかをハンチンチンに対する特異抗体を用いたウェスタン解析を行ったところ、確かにHDでは異常に長いグルタミン鎖をもつ蛋白が正常のそれとともに発現していることを証明した。次に、DRPLA遺伝子内のCAGリピートに関しては、正常では7〜23の範囲であるが患者では53〜88であった。DRPLA遺伝子の産物(atrophin 1)が実際に正常および異常の長さのグルタミン鎖をもって発現しているか特異抗体を用いたウェスタン解析で調べるたところ、確かにDRPLAでは異常に長いグルタミン鎖をもつ蛋白が正常のそれと共に発現していることが証明された。MJDについては、その遺伝子の一部をantisense probeとして、正常およびMJD患者の脳を用いてin situ hybridizaionを行ったところ、MJD遺伝子のmRNAは、脳の様々な箇所での神経細胞に強く発現していた。MJDで強く障害される神経細胞にも強く発現していたが選択的ではなかった。また、MJD患者の脳でのMJD遺伝子のmRNA発現は、正常者のそれとほとんど差を見いだすことができなかった。すなわち、MJD遺伝子産物の発現には、恐らく正常と異常の差がないであろうことが推定された。
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