研究分担者 |
坂尻 顕一 金沢大学, 医学部・付属病院・神経内科, 助手 (00283127)
吉川 弘明 金沢大学, 医学部・付属病院・神経内科, 助手 (10272981)
駒井 清暢 金沢大学, 医学部・付属病院・神経内科, 助手 (90283126)
新田 永俊 金沢大学, 医学部・神経内科学講座, 講師 (50251947)
坂戸 俊一 金沢大学, 医学部・附属病院・神経内科, 講師 (10142275)
井出 芳彦 金沢大学, 医学部・神経内科学講座, 助教授 (10100835)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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研究概要 |
(1)Lambert-Eaton筋無力症候群 肺癌との合併頻度の高い本病は,骨格筋支配の末梢神経終末局在の電位依存性カルシウムチャネル(VGCC)を標的とする抗体が主役を演じ,チャネル機能障害の結果,神経終末からのアセチルコリン量子性遊離量が低下し発症する。分子免疫学的研究の結果,以下のことを明らかにした。(1)本病抗体の主たる抗原決定基はVGCCのP/Q型である。(2)P/Q型VGCC分子構造の中での抗体反応領域は,α1サブユニットのドメインIIとIVのS5-S6リンカー領域であった。(3)ドメインIIとIIIS5-S6リンカー領域合成ペプチドを抗原として,動物に疾患モデルを誘導することができた。(4)VGCC周辺機構を構成する蛋白質の一つで,カルシウム・センサーとしての役割を担うシナプトタグミンの,シナプス小胞開口中膜外に露呈する領域に照合して合成ペプチドは,これを抗原として動物を免疫すると,疾患モデルを昨出できた。(5)遺伝子操作で大腸菌に発現させたリコンビナント・シナプトタグミンを抗原として患者血清を検定すると,30%の症例で陽性,その50%は抗VGCC抗体陰性であったので,この蛋白質に対する免疫反応だけでも本病の一時的原因となりうる。(6)VGCCもシナプトタグミンも肺癌組織に発現,癌組織と神経系の免疫学的交叉反応が,発病の根底にあると示唆される。 (2)重症筋無力症 神経筋シナプスの後シナプス・アセチルコリン受容体に対する免疫反応が原因である本病で,特に胸腺腫合併例において,筋収縮疲労が本来のシナプス伝達疲労に加重していること,その原因が胸腺上皮細胞に発現するリアノジン受容体を認識し産生される抗体が筋の興奮収縮関連を阻害するにあることを明らかにした。また、自然発症胸腺腫ラット(Baffalo/Mna種)は,この病態の動物モデルであることを,胸腺の免疫組織化学,免疫学および電気生理学的指標で明らかにした。
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