研究課題/領域番号 |
07457210
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宮川 太平 熊本大学, 医学部, 教授 (90040542)
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研究分担者 |
安川 節子 熊本大学, 医学部, 助手 (80244119)
山下 建昭 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (10230418)
桂木 正一 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (00161092)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイド / 老人斑 / 神経原線維変化 / 顆粒空胞変性 / 微小循環 / 神経細胞脱落 / 微小血管 / リポクローム / 星状膠細胞 / 電子顕微鏡 / ミクログリア / アポリポ蛋白 / タウ蛋白 |
研究概要 |
老人班の芯を構成するアミロイド線維は直径3nmの球状のsub-unitから成り、5個でone turnを繰り返す、らせん状構造であることを解明した。他方、家族性アミロイド・ポリニュロパシィー(FAP)のアミロイドの超微細構造を検討した結果、sub-unitが5ないし6個でサークルを作り、その積み重ねでアミロイド線維が形成される所見を得られた。この構造の違いが、FAPのアミロイドが脳に沈着しない理由の一つになると考えられ、さらにアルツハイマー病のアミロイドが脳に沈着するメカニズムの解明に役立つと思われる。 神経原線維変化は神経細胞脱落に関係すると考えられており、これまでは神経細胞は神経原線維変化を細胞内の酵素で処理することはできないと考えられてきたが、我々は顆粒空胞変化を免疫組織学的に観察することにより、神経原線維変化に見られる異常燐酸化タウ抗体を証明した。この事は、神経細胞内でも神経原線維が形成される前に処理する機構が存在することを示しており、この処理機構を解明することで、将来的にはアルツハイマー病の神経細胞の中に形成された神経原線維変化を除去する方法を開発できる可能性が出てきた。 また、アルツハイマー病ではその原因物質として、経口的に摂取された金属を想定する事も成されているが、長期間にわたり中枢神経が鉄に障害される疾患を検索し、アルツハイマー病の病理学的所見を呈しないことを明らかにした。 また、アルツハイマー病の重篤な痴呆を裏付ける所見として、老人斑や原線維変化以外に微小循環障害に目を向け、小血管の障害性変化がありその結果として広範な神経細胞脱落が起こる可能性を見いだした。
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