研究課題/領域番号 |
07457229
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 久丸 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90181130)
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研究分担者 |
黒川 峰夫 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
小川 誠司 東京大学, 医学部・附属病院, 助手
田中 智之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50227154)
三谷 絹子 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50251244)
花園 豊 東京大学, 医学部(病), 助手 (70251246)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / 染色体転写 / AML1遺伝子 / 転写因子 / 造血細胞 / レドックス制御 / 染色体転座 / MAPキナーゼ / リン酸化 / 慢性骨髄性白血病 / AML1 / Evi-1融合蛋白質 / 転写活性 / 細胞増殖 / 細胞分化 |
研究概要 |
AML1遺伝子はDrosophila pair-rule遺伝子であるrunt、およびマウスpolyomavirus enhancer結合蛋白質をコードするPEBP2aAと相同性を持つ転写因子であり、急性骨髄性白血病で認められるt(8;21)染色体転座、慢性骨髄性白血病の急性転化や骨髄異形性症候群の白血化時に出現するt(3;21)染色体転座により再構成され、それぞれAML1/MTG8,AML1/Evi-1融合蛋白質が産生される。すでに我々は生物学的ならびに生化学的解析によりAML1/EVI-1キメラ蛋白質は造血細胞の分化抑制と増殖促進に作用することを示した。すなわち、AML1/EVI-1は、(1)AML1と同様にAML1の特異的結合配列(PEBP2配列)に結合し、AML1によるPEBP2部位に対する転写活性をdominantに抑制する、(2)AP-1活性を上昇させる、ことを明らかにした。これらの機能が、それぞれ造血細胞の分化抑制と増殖促進に関与し、leukemic transformationに至るのではないかと推定される。本研究ではAML1の機能制御を解析することを目的に研究を行い、以下の成果を得た。 (1)AML1のalternative splicing産物の相互作用 ASML1遺伝子からは、alternative splicingにより少なくとも2つのタイプの産物が転写,翻訳されるが、これらの両者が競合的に作用することによって転写活性が調節され、血液細胞の分化・増殖がコントロールされる可能性が示された。 (2)AML1蛋白質のレドックス制御 AML1蛋白質のDNA結合能は還元状態で増加し、酸化状態で低下した。この活性にはrunt領域内のシステイン残基(C72)が重要であり、DNA結合能、転写活性能、NIH3T3細胞における足場非依存性増殖能のいずれの活性にも関与することが示された。 (3)MAPキナーゼによるAML1の制御 AML1蛋白質がERKによってリン酸化を受けることが明らかになった。AML1蛋白質のERKによるリン酸化は、DNA結合能には影響しないが、転写活性を明らかに上昇させること、およびNIH3T3細胞における足場非依存性増殖に必須であることが示された。AML1蛋白質はERKに構成的に会合し、この会合はERKのキナーゼ活性およびAML1のリン酸化には影響を受けなかった。
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