研究課題/領域番号 |
07457233
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
待井 隆志 (1996) 大阪大学, 医学部, 助教授 (50124780)
木谷 照夫 (1995) 大阪大学, 医学部, 教授 (80028406)
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研究分担者 |
水木 満佐央 大阪大学, 医学部, 助手 (80283761)
大野 悦子 大阪大学, 医学部, 助手 (00273631)
徳嶺 進洋 大阪大学, 医学部, 助手 (90207564)
待井 隆志 大阪大学, 医学部, 助教授 (50124780)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 発作性夜間血色素尿症 / 再生不良性貧血 / PIG-A遺伝子 / GPIアンカー型蛋白 / CD59 / glycopherin A / 突然変異率 / GPIアンカー / グリコフォリン遺伝子 / PNH / 造血不全 |
研究概要 |
本研究で我々は再生不良性貧血(AA)と発作性夜間血色素尿症(PNH)の関連およびこれら疾患の発症機序の解明を目指し、以下の検討を行った。 1.AA患者血球におけるGPIアンカー型蛋白(GPI-AP)の発現をFACSにて検討した。75例中、PNHの臨床所見を示さなかった10例を含め、23例(30.7%)にGPI-AP欠損血球を認めた。これらのうち、PIG-A遺伝子の解析を行った10例全例にその変異を検出し、7例で塩基配列を決定した。7例の変異部位はそれぞれ異なり、hot spotは見られなかった。以上の成績から日本人AA患者におけるGPI-P欠損血球の出現頻度が明らかとなり、そのPIG-A遺伝子に発作性夜間血色素尿症(PNH)同様の変異が見られることが明らかとなった。また2例では複数の変異が検出された。 2.高感度CD59検出法を考案し、AA例における微小なGPI-AP欠損血球分画の検出を試みた。従来の検査法で異常血球の検出されなかったAA患者21例中6例に、本法により微小CD59欠損血球分画を検出し得た。通常法による結果とあわせ、AAにおけるGPI-AP欠損血球の出現頻度は52%にも及ぶことが示された。 3.PNHやAAでは突然変異を高率に起こすような機序がその発生に関与しているのではないかと考え,これらにおける突然変異率を検討した。突然変異率の指標としてしばしば用いられているGlycopholin A(GPA)遺伝子突然変異率測定法を用いた。PNH9例中5例、AA9例中4例で変異細胞出現頻度に有意な増加が見いだされた。以上の結果は、AAおよびPNHの血液細胞では突然変異率が起こりやすい状態にあることをはじめて示したもので、これらの疾患におけるPIG-A遺伝子異常の発生機序、および異常クローンの増殖優位性のメカニズムについて有用な手がかりとなることが期待される。
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