研究課題/領域番号 |
07457264
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
江見 充 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (90221118)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 乳癌 / 卵巣癌 / BRCA1 / SSCP法 / 遺伝子変異 / 発症前診断 / SScP法 |
研究概要 |
日本人の乳癌1000例についてSSCPのMultipex化による効率化を進めることによりBRCA1変異の検索を行ない、このスクリーニングした結果、さらに8例の変異を見い出した。内訳は、2bpの欠失1例、ノンセンス変異1例、4bpの欠失1例、1bpの欠失1例、ミスセンス変異4例であった。欧米では、全乳癌の約5%が遺伝性乳癌で、そのうちの半分足らずがBRCA1変異による家族性乳癌と推定されている。筆者らの実験結果に基づいて考えると、日本人では、乳癌患者の1〜2%程度にBRCA1変異をもつ患者が存在すると推定されている。これらの変異が原因となっている遺伝性乳癌家系についてBRCA1の変異を直接検出することで発症前に乳癌のリスクを正確に判定することができる状況となっている。これらの家系構成員については乳癌の早期発見・早期治療が可能となり患者を癌死の危険から救うことができる。筆者らが1000例の乳癌DNAから現在までに同定した8例は、すべてgerm-line変異であり、somatic変異は見られていない。これらの症例はむしろ、一般乳癌/卵巣癌のなかに潜んでいた家族性乳癌/卵巣癌であると考えるのが妥当であろう。これらの事実からBRCA1における変異が遺伝病としての家族性乳癌/卵巣癌の原因であるということが明確になった。発症年齢は45〜51歳(平均49歳)で、米国の症例に比べて発症年齢が15歳高かった。これはおそらく同じ遺伝子の変異をもつ患者でも食生活など環境因子が両社会間において異なることにより疾病の発現に差が現れることを意味してものと考えられる。
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