研究課題/領域番号 |
07457319
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
田渕 和雄 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50116480)
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研究分担者 |
峯田 寿裕 (峰田 寿裕) 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20264187)
福山 幸三 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (60238516)
戸田 啓介 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (80274588)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 脳腫瘍 / アポトーシス / TUNEL / Fas / Fas ligand / ICE / Bcl-2 / OK-432 / 養子免疫療法 / ICE inhibitor / p53 / p16 / p21 / Bcl-x |
研究概要 |
1.脳腫瘍の手術時生検組織を対象とし、(1)アポトーシス情報の受容と伝達に関与するFas ligand/Fas系、(2)アポトーシスの決定に関与するBcl-2 family、(3)アポトーシスの実行に関与するICE familyについて、それらの発現を免疫組織化学的に検索した。さらにTUNEL法によりアポトーシス細胞の同定を行いその割合をapoptotic index(Al)として算出した。その結果脳腫瘍の組織型によってアポトーシス関連遺伝子産物の発現パターンは異なっており、各脳腫瘍の発生或いは存続へのアポトーシスの関与が一様ではないことが判明した。 2.Fas ligand/Fas系を介して培養グリオーマ細胞にアポトーシスを誘導できるか否かを検討した。FlowcytometryおよびRT-PCR法にてFasの発現を確認した3種のヒト培養グリオーマ細胞株(T98G,U251およびA172)に対してIgM型抗Fas抗体を作用させると、T98Gにのみアポトーシスが誘導された。このアポトーシスはICE inhibitor(YVAD-CMK)にて抑制された。 3.健康成人の静脈血より単核球細胞を分離し、OK-432を加えて37°Cにて24時間培養した。回収したOK-432activated mononuclear cells(OK-MC)よりmRNAを抽出し、cDNAを調製した。Human Fas ligandに特異的なprimerによるPCRで、Fas ligand cDNAによるPCR産物の増幅を認めた。OK-MCをT98Gに作用させるとアポトーシスが誘導されたが、T98G細胞表面のFasをZB4抗体を用いて予めブロックしておくとアポトーシスは抑制された。以上の結果より、OK-MCの作用機序の少なくとも一部にはFas ligand/Fas系が関与しているものと思われた。 4.以上の研究から、ヒト脳腫瘍におけるアポトーシス機構を詳細に解析することにより、アポトーシスの機序を応用したより効果的な治療法の開発が可能になると思われる。またOK-MC養子免疫療法の機序にFas ligand/Fas系が関与していることから、将来、精製Fas ligandを用いたアポトーシス誘導療法の実現の可能性が示唆された。
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