研究課題/領域番号 |
07457324
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
阿部 周一 北海道大学, 理学部, 助教授 (80125278)
|
研究分担者 |
野島 孝之 金沢医科大学, 病理部, 教授 (50142732)
吉田 廸弘 北海道大学, 理学部, 教授 (60001765)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
|
キーワード | 骨軟部悪性腫瘍 / 特異的染色体転座 / 遺伝子再配列 / RT-PCR / キメラ遺伝子cDNA / トランスフェクションアッセイ / アンチセンスDNA / CGH / RNA-PCR / 筋肉蛋白遺伝子 |
研究概要 |
特異的染色体転座を保持した症例を含むユ-イング肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫などの骨軟部悪性腫瘍において研究を進め、研究期間内において以下の結果を得た。 1.上記の肉腫や悪性線維性組織球腫などを含む骨軟部悪性腫瘍61例および対照の癌腫や造血系腫瘍45例において、特異的転座により生じる再配列(キメラ)遺伝子とその発現の腫瘍特異性がRT-PCR法により確認され、本法を用いたキメラ遺伝子発現検索は骨軟部悪性腫瘍の有効な診断手段となることが示された。 2.t(11;22)転座のEWS-FLI1、t(12;22)転座のEWS-ATF-1およびt(X;18)転座のSYT-SSXキメラ遺伝子では、正規の転写産物の外にスプライシングの異常によりエクソンの欠失やイントロンの挿入がある複数の転写産物が同一症例でしばしば認められた。しかし、それらの構造異常転写産物は、塩基配列の解読から、読み枠のずれにより終止コドンがDNA結合領域の前に生じるため機能的な転写因子キメラタンパクに翻訳されないと考えられた。 3.EWS-FLI1およびSYT-SSXキメラ遺伝子の完全長および欠失構造変異体cDNAを用いてトランスフェクションアッセイを行ったが、転写因子機能に必須な領域は同定出来なかった。一方、SYT-SSXキメラcDNA結合部位を含む複数のアンチセンスオリゴDNAを作製し、t(X;18)転座保有培養株2例に処理したところ、濃度依存的に細胞増殖ならびにキメラmRNA発現の抑制が認められた。この結果は、SYT-SSXキメラ遺伝子が滑膜肉腫の発生に直接関与することを強く示唆している。 4.キメラ遺伝子YACプローブを用いた間期核FISH法の滑膜肉腫鑑別診断への応用やCGH法による横紋筋肉腫の組織亜型同定などの分子細胞遺伝学的解折法に加え、繰り返し配列を標的とする新しいゲノム変異検索法を開発した。
|