研究課題/領域番号 |
07457326
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
朝戸 裕貴 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20222581)
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研究分担者 |
神谷 暸 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (50014072)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 血管新生 / 流れずり応力 / 微小循環 / 血管内皮細胞 / リモデリング / 血行力学的適応 / 血管構築 |
研究概要 |
初年度においては、長期血流負荷が組織再生過程における皮膚微小循環の血管構築に及ぼす影響をウサギ耳介透明窓法(rabbit ear chamber:REC)を利用して検討した。この形態的計測の結果をもとに本年度は血行動態の解析を行った。ウサギの耳介およびラット背部皮膚に微小循環観察用の透明窓(transparent chamber)を装着後、血流負荷群には血管拡張薬を持続的に投与して末梢血流を増加させた。生体顕微鏡ビデオシステムで経時的に窓内の微小循環を観察記録した。Dual window法を用いた血流測定システムで、記録されたビデオ画像から微小血管における赤血球速度を測定し、shear stressを算出した。 血管拡張薬の持続投与によりshear stressの増大がみられた。負荷群において血管密度、総血管床面積のすべてが有意に増加した。ウサギの耳介透明窓では組織再生過程の血管新生が血流負荷により促進された。 われわれは最近の内皮細胞に関する研究結果から血管系の最適分岐構造が内皮細胞のshear stress適応で実現されると考えている。本研究では皮膚・軟部組織の血管新生が血流負荷により促進されることが定量的に明かとなった。この結果は局所の血流に応じた血管構築を構成する制御機構の存在を示唆する。血管新生を生体の適応反応の一つとしてとらえることが可能と考えられる。すなわち負荷されたshear stressに対し血管新生が亢進することで応力が生理的最適値に調節されるという機構が実験的に示された。
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