配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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研究概要 |
半月板の力学機能は外力下における変位と密接に関係するので,半月板の各位置の変位を計測するために柔軟な針とレーザ変位計を用いる新しい軟組織用変位測定器を開発した.半月板の内部に2本のの針先を固定して膝関節横断面における半月板の変位ベクトルを高精度で測定することができた. ブタの膝関節を関節シミュレータに固定して垂直方向に荷重を加えたときには半月板の外向きの変位が少ないので,荷重が半月板を介して伝達される.一方,前後方向の外力が加わるときには,主として外側半月板が前後方向に変位して回旋運動を生じさせる.側方力に対しては半月板はほとんど変位せずに外力を支えて関節の安定性の確保に重要な役割を果たす.以上より屈曲伸展運動に際しては膝半月板は前後方向に変位して関節の可動範囲を確保する.一方,各種の外力に対しては半月板はほとんど変位せず,靭帯と共同して力を支えるので,関節の運動を制限して安定性を高めることが明らかになった.本研究で開発した軟組織の高精度測定器なくしては,このように逆説に満ちた半月板の機能を解明することは不可能であった. 衝撃荷重下の応力波の伝達機構を3次元有限要素法で解析し,衝撃荷重下では半月板はあまり変形せずに応力波を伝達することを発見した.海綿骨内部に応力センサーを埋埴して応力波を測定した.静荷重下では応力は関節の中心部を通過して海綿骨へ伝えられるのに対して,衝撃荷重下では応力波は関節の周囲部を通過して皮質骨に直接伝達されることがわかった.
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