研究課題/領域番号 |
07457350
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 筑波大学 (1996-1997) 東京医科歯科大学 (1995) |
研究代表者 |
豊岡 秀訓 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80010362)
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研究分担者 |
槙田 浩史 (槇田 浩史) 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (20199657)
天羽 敬祐 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (30045992)
横山 訓典 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (00014176)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 一酸化窒素(NO) / 敗血症性ショック / MRS / LPS / carboxy-PTIO / エンドトキシン / NO / nitiic oxid / Corboxy-PITO |
研究概要 |
非選択的NOS阻害剤はそれ自体に心抑制作用があり、臓器血流維持に必要な構成型NOSも抑制することなどにより、敗血症性ショック時の主要臓器の循環、代謝系を著しく抑制してしまう。今年度我々は、循環、代謝系への副次的作用がないとされる最近開発されたNO消去剤であるimidazolineoxyl N-oxide誘導体(carboxy-PTIO)の肝に対する保護的作用の有無について実験を行った。 〈対照と方法〉 Varian社製の動物実験用高磁場NMR装置により肝エネルギー代謝および細胞内pHを測定した。麻酔下の動物(日本白色ウサギ)を気管切開、挿管し、人工呼吸とした。右内頚動静脈にカテーテルを留置し、平均動脈圧、心拍数、中心静脈圧を持続モニターした。開腹後、左肝葉上にin vivo ^<31>P-NMR測定用表面コイルを設置、部分閉腹後、ウサギを仰臥位にてbore magnet内に入れNMRシグナルを測定した。動物を以下の3群に分けた。1)コントロール群、2)LPS(lipopolysaccharide,400μg/kg)投与群、3)LPS+carboxy-PTIO投与(0.17mg/kg/minの速度にて3時間)群。 〈結果〉 血行動態と血液ガス分析:carboxy-PTIOの投与はLPS投与による2相目の血圧の低下と代謝性アシドーシスの進行を抑制した。 In vivo ^<31>P-NMR分析:LPS投与120分後より生じたβ-ATP値の減少、無機リン値の増加、細胞内pHの低下をcarboxy-PTIOの投与は有意に抑制した。 動脈血代謝物質濃度の変化:LPS投与7時間後において、血清乳酸、ピルビン酸値は有意に増加した。carboxy-PTIOの投与群では、血清乳酸値の増加を軽度抑制した。また、動脈血ケトン体比(アセト酢酸/β-ヒドロキシ酪酸)を改善した。 〈まとめ〉 ウサギ敗血症性ショックモデルにおいてNO消去剤の投与は、肝障害を引き起こすことなく血行態を正常化した。この結果は、敗血症に対する新しい治療薬として、NO消去剤の投与が有効である可能性を示唆するものである。
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