研究課題/領域番号 |
07457362
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
丸川 征四郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00030883)
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研究分担者 |
山内 順子 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80216142)
尾崎 孝平 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (50169281)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 急性呼吸不全 / 呼吸管理 / 換気力学 / 腹臥位管理 / 肺理学療法 / 用手的呼吸介助 / 呼吸理学療法 / 急性呼吸不全、 / 呼吸管理、 / 換気力学、 / 腹臥位管理、 / 肺理学療法、 |
研究概要 |
近年、急性呼吸不全に対する新しい呼吸管理法として腹臥位管理法が開発された。我々は腹臥位にはPaO2と肺病変を改善する効果のあることを既に報告した。本研究は急性呼吸不全を対象に腹臥位のPaO2改善効果に換気力学的な分析を加えること、併用する呼吸理学療法の効果を検討することを目的に実施した。 腹臥位への体位変換によってPaO2は約30%増加し、同時に自発呼吸仕事量(WOBp)は約17%有意に軽減した。この成績は、過去に報告が無く新知見である。さらに、気道抵抗(Raw)と動肺コンプイアンス(Cdyn)は、それぞれ約17%、約25%有意に改善した。肺酸素化能改善の機序が、腹臥位にすると背側肺障害領域が上側になるため、障害肺が増加した自己重量の圧迫から解放されて、局所換気が改善、換気血流比(Vr/Qr)が増加するためと考えると、同時に生じたWOBp改善など換気力学的変化は、すべて無理なく説明できる。 さらに、呼吸理学療法の基本手技である呼吸介助法は、急性呼吸不全に伴う浅い頻呼吸を抑制し、一回換気量増加と呼吸数減少をもたらした。この効果は努力呼吸を併用すると増強された。従って、用手呼吸介助は強制的呼出に続いて強い吸気(胸腔内陰圧)を作るため、pulmonary interdependenceによる虚脱肺胞や末梢気道を再拡張を促進すると考えられ、腹臥位管理との併用は吸気時の胸腔内陰圧をより増強するので有利であると結論できた。 腹臥位の効果は非侵襲的呼吸管理に有用である。さらに、今回の成績によって、自発呼吸仕事量を軽減し吸気時の胸腔内陰圧を増強する治療、例えば陰圧人工呼吸補助法、ヘリウム併用の呼吸管理法を併用することが、呼吸管理法の新しい方向として示唆できた。
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