研究課題/領域番号 |
07457381
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 庸厚 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40012760)
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研究分担者 |
佐藤 英明 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80093243)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 精子 / 卵子 / MHCクラスII / CD4 / p56^<lck> / 顆粒膜細胞 / 卵母細胞 / Fas / Fas Ligand / 卵胞閉鎖 / アポトーシス / Fas ligand / Apoptosis / 卵巣 / 卵透明帯 / MHCクラスII分子 / P56^<lck> / 閉鎖卵胞 / Fas-Fasligard |
研究概要 |
これまでにマウスの精子や卵子上にそれぞれMHCクラスII抗原、CD4/p56^<lck>複合体を見出してきた。更に、バキュロウイルス-昆虫細胞(Sf9)の系にマウスの卵子由来のCD4 cDNAを組み込み発現させ、種々の精子を媒精して、その結合実験によって受精の場におけるCD4とMHCクラスII抗原との種特異的結合を明らかにしてきた。一方、マウスの卵巣における閉鎖卵胞形成の分子機構の解明を進め、この機構がアポトーシスによる細胞死の機序によって主に推進されていることを見出してきた。とりわけFas/Fas Ligand(FasL)システムの発現とその役割に焦点を絞り,in situ hybridizationやRT/PCRでtranscriptionalレベルでの発現を、またFas/FasL抗体を使用し蛍光抗体、酵素抗体法、免疫沈降法でtranslationalレベルでの発現を検討した。その結果Fasは卵母細胞、過排卵や、ある段階での顆粒膜細胞に発現し、FasLは顆粒膜細胞に局限していることを確認した。またこれらの発現はゴナドトロピン(FSH)によって制御されていることも見出している。更に、バキュロウイルス-Sf9系でFasLをSf9細胞上に高度に発現させ、卵透明帯を除去した卵子に反応させると、卵子のアポトーシスを誘導できることを発見した。FasLを発現している顆粒膜細胞と卵子との試験管内反応でも同様の結果を得た。逆に、卵透明帯が付着している卵子には顆粒膜細胞やSf9-FasL細胞によりアポトーシスを誘導することは出来なかった。ヒトの卵巣においても顆粒膜細胞や、卵母細胞にFasが発現しているとの他家の報告ともあいまって、これらの実験結果を総合すると、哺乳類の卵巣におけるFas/FasLシステムはこれまで長い間謎とされてきた閉鎖卵胞形成機序の最初の誘発分子として働いていることを解明できたと考える。そして、排卵卵子とはおそらく卵透明帯の完成によってこのFas/FasL分子間相互作用が遮断されアポトーシスから免れたものであることが示唆された。
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