研究課題/領域番号 |
07457386
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
神崎 秀陽 関西医科大学, 医学部, 教授 (80135566)
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研究分担者 |
安田 勝彦 関西医科大学, 医学部, 講師 (90174507)
藤田 潤 京都大学, 医学部, 教授 (50173430)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1996年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1995年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | ヒト子宮内膜 / 着床 / 遺伝子サブトラクション / プロゲステロン / トランスグルタミナーゼ / TIMP-3 |
研究概要 |
プロゲステロン(P)により誘導される遺伝子の解析を目指して、ヒト子宮内膜間質細胞をP添加で培養してプロラクチンを指標として分化の誘導を確認し、分化前後の培養細胞からRNAを抽出した。P無添加で同様に培養した細胞からもRNAを得、この両者よりcDNAライブラリーをそれぞれ作成し、次いで互いにサブトラクションを行って、分化によって増幅あるいは始めて出現する遺伝子群の分離濃縮を試みた。得られたcDNAライブラリー(subtracted cDNA)は、ベクターにクローニングして、Northern Blotによるスクリーニングした。約2,000種のクローン解析で、P依存性に出現する遺伝子が数種類分離され、その中からtissue transglutaminase(TGase)とtissue inhibitor of metalloproteinase(TIMP)-3が同定された。TGase遺伝子は、内膜細胞の分化のごく初期より発現が急増し、一方TIMP-3はそれより遅れて発現していた。このtissue TGaseの機能を検討するためのTGaseの阻害剤あるいはantisenseでの実験では、Pによる内膜細胞の分化は抑制された。これらより、TGaseは分化過程の極初期より非常に重要な役割が想定される。さらにクローニングされていたその他の遺伝子の解析を行ったところ、さらに未報告の遺伝子が少なくとも1種分離された。このmRNAは黄体ホルモン負荷後わずか1時間で子宮内膜間質細胞で急増し、またこの遺伝子は未知のタンパクをコードするものであることが確認された。予備実験では、着床不全不妊婦人の内膜における本遺伝子発現の低下が示唆されている。このように着床障害の病態解析のために行った本研究によってTGaseを含む新たな内膜機能マーカーとなる遺伝子が発見されたため、これらにより今後より有効な内膜診断を行うことが可能となり、ヒト着床不全の病態解明のための基礎的な成績が得られたと考えている。
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