研究課題/領域番号 |
07457440
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中山 浩次 (中山 浩治) 九州大学, 歯学部, 助教授 (80150473)
|
研究分担者 |
山本 健二 九州大学, 歯学部, 教授 (40091326)
中山 宏明 九州大学, 歯学部, 教授 (70047744)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
|
キーワード | ポルフィロモナス・ジンジバリス / プロテアーゼ / 歯周病 / ポルフィロモナス ジンジバリス |
研究概要 |
1、RGP遺伝子DNAをもつス-サイドプラスミドを用いた部位特異的変異導入法によりRGP欠損変異株を作製した。この過程でP.gingivalis染色体上にはRGPをコードする遺伝子が2つ存在することがわかった。1つの遺伝子(rgpA)からは最終的に分子量44kDaのRGPが産生され、もう1つの遺伝子(rgpB)からは60-90kDaのRGPが産生されることが示唆された。rgpA rgpB二重変異株ではP.gingivalisで特徴的に観察される白血球の殺菌能に対する抑制作用や赤血球凝集能が顕著に減少していることがわかった。この結果からrgp遺伝子のこれらの能力への関与が強く示唆された。 2、P.gingivalisは菌体表面に線毛を有し、この線毛は宿主細胞や唾液でコートされたヒドロキシアパタイトに菌が接着する際、重要な役割を果たしていることが明らかにされている。線毛を構成するフインブリリンタンパク質はその前駆体のアミノ末端が46残基切断されて成熟型フインブリリンになる。この46残基目のアミン酸はアルギニンであることからこの切断にはRGPが関与している可能性が示唆された。RGP欠損株について線毛能およびフインブリリン産生性を調べた結果、rgpA rgpB二重変異株(RGP完全欠損株)では線毛形成がほとんどみられず、成熟型フインブリリンの生成も非常に減少し、また、わずかではあるがフインブリリン前駆体が検出された。このことはRGPがフインブリリンのプロセッシングに関与し、線毛形成に影響を与えていることを示唆した。 3、rgpB遺伝子の構造解析を行った結果、rgp1(rgpA)遺伝子と全体的に類似性があったが、rgpAでみられるカルボキシ末端側のへマグルチニンドメインの大部分がrgpBでは欠失していた。また、中央部のプロテアーゼドメイン領域を両者で比較すると他の領域に比べて同義塩基置換の頻度が極端に低いことからrgpAとrgpBのこの領域間で遺伝子変換が生じている可能性が示唆された。これらの結果からRGPをコードする2つの遺伝子(rgpAとrgpB)の形成過程についての1つの仮説が提示された。
|