研究課題/領域番号 |
07457446
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
佐々木 武仁 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (90013896)
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研究分担者 |
三浦 雅彦 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10272600)
土門 正治 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (60014198)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | PCNA / ポリメラーゼ / ヌクレオチド除去修復 / DNA修復欠損 / 塩基除去修復 / 電離放射線 / 紫外線 / DNA修復 / 除去修復 / 放射線 / 突然変異 / ヌクレオチド |
研究概要 |
本研究によって得られた成果は、3編の論文として既に報告し、以下にその要旨を述べる。 1.電離放射線によって誘導されるPCNA-DNA複合体の特徴づけを行なった。この複合体は、DNase処理によって消失するが、RNase処理では消失しないこと。ATPならびに温度依存性であること。照射後、12-15時間には、複合体が消失すること。DNAポリメラーゼσ/εの阻害剤であるアフィジコリン処理をすると、複合体形成そのものに影響はないが、消失が阻害される。すなわち、このDNA修復は、DNAポリメラーゼσ/ε依存性である。タンパク合成阻害剤であるサイクロヘキシミド処理をするとアフィジコリンと同じ結果が得られた。すなわち、この修復が進行するためには何らかのタンパク合成が必要である。ヌクレオチド除去修復を欠損するA群色素性乾皮症患者由来細胞は、UV照射の場合と異なり正常細胞と全く同じ複合体の消長を示した。以上の結果は、電離放射線によるDNA損傷の修復においても、DNA複製やヌクレオチド除去修復と類似したPCNA依存性のDNA合成が起こっているが、その開始機構において、ヌクレオチド除去修復とは異なるものであることを示している。 2.ヌクレオチド除去修復過程のどのステップにおいて、PCNA-DNA複合体が形成されるのかを、2つの切断ステップに遺伝的欠陥を有する細胞を用いて検討した。その結果、DNAの3^1側、並びに5^1側いずれのDNA鎖を切断するエンドヌクレアーゼに欠陥があっても複合体は形成されないことが明かとなった。このことは、PCNAがDNA合成過程において重要な役割を果たすというこれまでのモデルをうまく説明するものである。 3.最も遺伝学的解析が進んでいるA群色素性乾皮症患者由来の細胞を用いて、XPAタンパクのどのドメインがPCNA-DNA複合体形成に重要かを調べた。XPAタンパクのDNA結合能に最も重要なC4型zinc fingerドメインに変異をもつ患者由来の細胞は、全く複合体形成が認められなかったのに対し、C2H2型様zinc fingerドメインと相同性の高い領域に変異をもつ患者由来の細胞は正常な複合対形成を示した。こうした結果は、ヌクレオチド除去修復能とよく相関するものであり、PCNAが細胞内においてもヌクレオチド除去修復に関与することを示している。
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