研究課題/領域番号 |
07457469
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堤 定美 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00028739)
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研究分担者 |
南部 敏之 (株)ライフテック研究所, 所長
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | ガラスセラミックス / 歯冠修復材 / 加工性 / 靱性 / ディオプサイド / プレス成形 / 結晶化ガラス / 歯科用ガラスセラミックス |
研究概要 |
低温でプレス成形が可能で高靱性を有し、しかも透明性のある審美的な歯科用修復材としてCaO・MgO・2SiO_2組成のディオプサイド系結晶化ガラスを開発し、その改良研究を実施してきた。成果を以下に要約する。 1.プレス温度900〜930℃、プレス圧力0.1MPa程度で十分な流動性を発揮させることができた。従来の類似製品が1200℃付近でしかプレスできなかったのに対して、このガラスは加熱エネルギが節約でき、低温鋳造用の歯科用石膏系鋳型が使用できる。 2.プレス成形後の鋳型内でガラス成分からディオプサイドの結晶化を可能にしたため、改めて結晶化の熱処理操作が不要となり、曲げ強度が400MPa以上と類似製品の2倍以上強く、破壊靱性値も2.7MPa・m^<1/2>と従来品よりも3〜4倍の高靱性が得られた。 3.本年度購入した顕微鏡ズ-ム画像解析装置を高温光学顕微鏡に付属させ、大気雰囲気中で昇温速度50℃/minで900〜1100℃の間の所定温度で制御しながら観察した結果、時間の経過に伴い縞状の組織が発生し、連続的に成長していることが認められた。これはディオプサイド結晶の析出に伴う収縮(1%)によるものと推測される。 4.さらに走査型電子顕微鏡(SEM)観察とエネルギー分散法(EDX)による分析および透過型電子顕微鏡(TEM)観察などの結果から、本ディオプサイド系ガラスの結晶化過程は以下のようにまとめられる。熱処理によって非晶質中でイオンの拡散によるorderingを起こして、初期においては微細な亀裂(クレータ状組織)を発生しながら不定形の析出物を現出する。これらの過程を繰り返しながらさらに結晶化が進行すると、最終的に微細粒で構成される鱗片状組織と板状組織を構成してほぼ結晶化を完了する。
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