研究課題/領域番号 |
07457491
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
|
研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
尾崎 登喜雄 高知医科大学, 医学部, 教授 (70031995)
|
研究分担者 |
植田 栄作 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10203431)
山本 哲也 高知医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00200824)
米田 和典 高知医科大学, 理学部, 助教授 (90182849)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 扁平上皮癌細胞 / アポトーシス / p53 / TGF-β / 5-FU / 放射線 / p21 / サイクリン依存キナーゼ / 扁平上皮癌 |
研究概要 |
扁平上皮癌の治療の目的の下、p53に変異のある2株およびp53野生型である2株、計4つの株化扁平上皮癌細胞における分化誘導について検討し、以下の結果を得た。 1. 扁平上皮癌細胞は、分化誘導剤であるベスナリノンによって、さらには5-FU、γ線、TGF-βによって分化が誘導された。一方、アポトーシスは、ベスナリノンによっては誘導されず、ペプロマイシンおよびTGF-βによっては弱く、5-FUおよびγ線によっては強く誘導された。ベスナリノンによる分化誘導はp21-anti-senseによって阻害された。 2. ベスナリノンおよびTGF-βでは、G1期に、5-FUではS期に、γ線ではG2/M期に細胞は集積したが、サイクリンD、サイクリンE.Cdk2およびCdk4の発現は、各処理によってもほとんど影響を受けなかった。 3. p21プロモーター活性は、TGF-βで増強し、他では抑制され、p21蛋白発現はTGF-βおよびベスナリノン(p21-mRNAを安定化する作用有り)で増強され、他では抑制された。 4. Baxはいずれの処理によっても、ほとんどその発現量は増強せず、一方、Bcl-2は無処理細胞では、ほとんど発現されておらず、各処理によっても発現は増強されなかった。 5. アポトーシスは、p53の変異に関係なく誘導され、かつ、p21の発現レベルとは相関していなかった。 6. 細胞傷害性リンパ球と、γ線あるいは5-FU、シスプラチンとを組み合わせると、アポトーシスはより強く誘導された。しかしながら、リンパ球の関わるアポトーシスにFasは強くは関与していなかった。 7. アポトーシスの程度とCu-Zn-SOD活性との間には、関連性がなく、Mn-SOD活性と関係し、Mn-SOD活性が低いと抗癌剤およびγ線によりミトコンドリアの膜電位はより強く低下した。さらに、Mn-SOD活性が低いとcaspase-3の活性化、さらにはPARPの不活化はより強く、Mn-SOD活性の高い細胞よりもアポトーシスはより強く誘導された。 これらの結果より、扁平上皮癌の分化・アポトーシスはp53-p21に非依存性に誘導されること、細胞傷害性リンパ球と抗癌剤あるいはγ線との併用はアポトーシス誘導にとって有利であること、さらには、アポトーシス誘導とMn-SOD活性は逆相関すること、が明らかとなった。現在、p21の役割をより明らかにするために、p21遺伝子の導入実験を行っているところである。
|