研究課題/領域番号 |
07457494
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70201465)
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研究分担者 |
堀内 克啓 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (70175587)
杉村 正仁 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20028749)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | ERK / MAPキナーゼ / 口腔癌 / 悪性化 / 増殖 / p16 / 癌遺伝子 / 細胞外マトリックス |
研究概要 |
MAPキナーゼファミリーは種々の細胞外シグナルに反応して活性化されるセリン/スレオニンキナーゼの一群で、種々の細胞反応に関与するが、なかでも細胞外シグナルの細胞膜受容体から細胞核へのシグナル伝達に中心的な役割を果たす。特にERKは増殖刺激を細胞核へ伝達する重要な経路の構成因子の一つであろうと考えられ、がん化細胞において恒常的な活性化が見いだされている。今回われわれは、口腔癌の悪性化においてこのMAPキナーゼファミリー(特にERK)がどのように関与しているかについて検討を行った。まず、培養細胞においては、ブレオマイシン(BLM)低感受性口腔扁平上皮癌であるSCCTF細胞に恒常的にERKの発現が強くみられることが認められた。また、これはBLMの作用時間に影響を受けていなかった。次に生検組織におけるERKの発現と細胞増殖の関連をみると、分化度とERKの発現との関連は認められなかったが、分化度が低くなるほどKi-67陽性細胞の増加がみられるとともにKi-67陽性かつERK陽性である細胞の割合が増加していた。このことから、口腔扁平上皮癌の低分化型における細胞増殖能の増加とERKの発現の一致性、また抗癌剤に対する感受性の低下などに代表される悪性度の上昇にはそれぞれ相関性があり、これにはras遺伝子の過剰発現に伴うERKの発現の増殖とそれに続くDNA合成の誘導や細胞増殖の増加によって引き起こされるものと考えられ、ERKの関与は口腔扁平上皮癌の増殖経路とその悪性化に重要な意義をもっているものと思われた。
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