研究課題/領域番号 |
07457527
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
辻 彰 金沢大学, 薬学部, 教授 (10019664)
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研究分担者 |
崔 吉道 金沢大学, 薬学部, 助手 (40262589)
玉井 郁巳 金沢大学, 薬学部, 助教授 (20155237)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1996年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1995年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | blood-brain barrier / P-glycoprotein / doxorubicin / secondary active transport / β-alanine / monocarboxylic acid transporter / absorptive-mediated endocytosis / peptides / blood-brain-barrier / P-glycoprptein / drug efflux pump / amino acids / adsorptive-mediated endocytosis / blood-brain barrer / doxonibicin / taurine / monocarboxylic acid transpoter / MCT1 |
研究概要 |
目的:「担体介在輸送・排出」による外因性物質選択的脳移行制御機構がダイナミックインターフェース(DIF)としての血液脳関門(BBB)機能を担っているというBBBの実体に迫る我々の独創的仮説の実証を行うことを目的とした。結果:1.ラット脳虚血による脳内ATP量の低下は、〔^<14>C〕sucroseの脳透過係数(PS)に変化を与えず、doxorubisin (DOX)のPSを正常時の17倍に増加させたが、この値は血流再灌流によって回復した。また初代培養ウシ脳毛細血管内皮細胞(BCECs)内のATP量の減少に伴って、DOXのBCEC内蓄積量の増大が観測された。以上の結果とこれまでの結果と合わせ、一次性排出ポンプP-糖蛋白質(P-gp)によってDOXなど脂溶性薬物の脳内移行が著しく制限されていることを実証できた。2.BCECsの血液側膜及び脳側膜からの〔^3H〕β-alanineおよび〔^3H〕taurineの輸送に対する温度・代謝エネルギー依存症、Na^+・Cl^-勾配依存症ATP枯褐BCECsにおけるカウンタートランスポート効果や各種アミノ酸による阻害様式から、BBBにはtaurineを二次性能動輸送するβ-alanine輸送系が存在することを初めて明らかにすることができた。3.H^+/モノカルボン酸共輸送系MCT1が、BCECにも発現していることをRT-PCR法によって確認し、その塩基配列が小腸のそれと一致することを認めた。このMCT1が血液脳間のモノカルボン酸化合物交換を制御していると思われる。4.ペプチドが塩基性と脂溶性のバランスに依存してadsorptive-mediated endocytosis(AME)機構でBCECsに取り込まれることを明らかにした。結論:薬物の中枢移行性は、分子の脂溶性によって制御されるほかに、BCECに発現する種々の輸送系に対する認識特性に依存し、P-gpによる排出機能によっても制御されるという、DFIとしての新しいBBBの概念を指示することができた。また、本研究により中枢作用型ペプチド医薬品の設計にAME機構を利用する道が開かれた。
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