研究課題/領域番号 |
07457528
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
半田 哲郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00025719)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1997年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | エマルション / リポリシス / リポ蛋白質リパーゼ / アポリポ蛋白質 / レシチン / スフィンゴミエリン / トリグリセライド / コレステロール / アポC-ll / リン脂質 / 分子運動 |
研究概要 |
トリグリセリド(TG)/レシチン(PC)-エマルションは血漿リポ蛋白(カイロミクロン、VLDL)の蛋白質フリーモデルと考えられている。また、高カロリー補給の脂肪乳剤や抗炎症剤などのDDSとして実用化されている。リポ蛋白の代謝では、コレステロール(Chol)、そのエステル(CE)やスフィンゴミエリン(SM)を高組成で含有する粒子が途中で生成し、その代謝を制御すると考えられているがメカニズムは不明である。 申請者は、エマルションの脂質組成が表面状態を変化させ、その代謝に必須なアポリポ蛋白やLPLなどとの血漿中の相互作用に影響をおよぼし、体内代謝を制御すると位置ずけている。 本研究は、エマルション粒子の表面単分子膜やコアの組成が、その表面の物理化学的性質ならびにLPL活性(リポリシス)に及ぼす影響を詳しく研究し、動物体内代謝の結果と比較検討して、エマルション内部のTGの血漿中での消失メカニズムを明らかにすることを目的とし遂行された。 本研究の成果を要約すると、 1.安定な脂質エマルションの生成は、表面単分子膜と内部コアをそれぞれ構成するリン脂質と中性脂質の界面化学的バランスに依存する。 2.エマルション表面単分子膜とリポソーム2分子膜では、PC分子のダイナミックな性質も脂質分子の配置も異なり、アポリポ蛋白質の結合性に著しい変化が現れる。 3.脂質エマルションの表面膜、コアの脂質組成を変化させると、PCとCholの表面状態が変化し、カイロミクロン、VLDL,LDL様の表面状態を再現できる。また、これに伴いアポリポ蛋白質やLPLの選択結合性も著しく変化する。 4.脂質エマルション表面膜へのCholやSMの導入は、それぞれ、アポリポ蛋白質Eの活性化とLPL活性の阻害をもたらす。LPLによるリポリシス活性は表面膜の水和状態に影響され、したがってSMにより制御することができる。
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