研究課題/領域番号 |
07457591
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
垣生 園子 東海大学, 医学部, 教授 (30051618)
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研究分担者 |
穂積 勝人 東海大学, 医学部, 助手 (30246079)
西村 孝司 東海大学, 医学部, 助教授 (30143001)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | TCR発現 / ZAP-70 / チロシンリン酸化 / positive selection / コレセプター / positive slection / T細胞レセプター(TCR) / シグナル伝達 / TCRトランスジェニックマウス / CD4 / CD8 |
研究概要 |
T細胞抗原受容体(TCR)の個体特有のレパートリー形成過程でおこるpositive selection (PS)の分子機構解明を目指して、DP胸腺細胞のTCR及びcoreceptorの発現制御に関与する分子の解析をおこなった。TCR及びMHC遺伝子操作に施したマウスを主に使用することにより、この2年間で以下のような研究成果を得た。(1)DPステージに分化した細胞はランダムにTCR発現を上昇するが、その後TCRによるシグナルの有無により前者はその発現量を維持し、後者では発現が低下することを証明した。この結果は、TCRシグナルによりSPをうけたDP細胞ではTCR発現が上昇するとの仮説に反するものであるが、この仮説の欠点である低発現のTCRが低濃度のリガンドMHCをいかにして認識するかという疑問解消に役だった。(2)DP細胞におけるTCR発現制御にはCD4の関与が報告されていたが、さらにCD45の関与を明らかにした。また、これら分子によるTCR発現の抑制はTCRシグナルにより解除されることを示した。(3)in vivoにおけるリン酸化状態を胸腺内分化段階で解析する方法を開発した。それを利用して、TCRシグナルを受けたclass I拘束性とclass II拘束性のDP細胞が各々CD8SPとCD4SP細胞に分化する場合、TCR/corecepter初期シグナルに関連するZAP-70のチロシンリン酸化の昂進の度合が2つのSP細胞系で大きく異なり、後者ではZAP-70への依存性が少ないことを証明した。この結果は、ZAP-70異常のヒト胸腺において少ないながらCD4+細胞は分化するが、CD8+は欠損するとの所見を説明する良い材料となった。即ち、CD4SPとCD8SP細胞への分化に必要なシグナルは均一ではないことを示す。このことは、LCK活性化にも両SP間で差異を見い出したことにより支持された。(3)CD4SP細胞に分化した細胞は、さらにnon-MHCに制御されて機能的Th1とTh2に分化することを証明した。
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