研究概要 |
1) 障害児学級設置状況の経年的変化や地域特性を把握するため,学校基本調査報告書に基づいて検討した結果,総体的にも地域格差が大きいが,障害種別ごとに分析するとその各戸はさらに拡大することが確認され,地域ごとの事例研究・地域間の比較研究の必要性が示唆された。 2) 障害児学級のうち障害種別で学級数の多い精神薄弱学級と情緒障害学級について,その実態や傾向性,教育的役割を明確にするために全国調査を実施した。その結果,情緒障害児学級在籍児の多くに知的障害があり情緒障害学級が重度児学級的な性格と役割を果たしていること,精神薄弱学級の設置状況とも関連し学級経営の多様性を生み出していること,両学級とも担当教員の多くが教育実践や学級経営に困難を感じていることなどをあきらかにした。 3) さらに,固定学級から通級学級に移行しつつある言語障害学級について,その実態や両学級の抱える問題状況を把握するために全国調査を実施した。その結果,過半数が通級学級で今後も移行が予想されること,両学級とも学級経営や研修の機会,専門家との連携などに困難があることがあきらかになった。 4) 上記1)で指摘したように,障害児学級の実態は自治体により格差が大きいので,障害児学級教育充実のための各自治体の教育行政方策を把握するため,都道府県・政令指定都市教育委員会に文書で問い合わせをし,それぞれの自治体の特徴を摘出した。 5) 多様な障害児学級の実態のもとでの指導の実際について,さまざまな授業を観察・記録し、授業分析を通して授業改善について検討を加えた。゚
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