研究概要 |
N個の因子(変数と呼ぶ)で決定される物理量(目的量と呼ぶ)があって,それらの測定結果がデータベースとして蓄積されているとする.それらの点群を目的量と共にN+1次元空間内にプロットし,点群のおよそ中央部を通る曲面(代表曲面と呼ぶ)を得ることと,この代表曲面を関数表示することが研究目的である. 代表曲面を得る手法は完成しフロッピ-ディスク付の刊行物として公表することができた.この代表曲面への各実験点からの隔たり(標準偏差)は最小となるようにすることができ,またそれを表示することができた.統計的手法で無理矢理に一次・二次形式に近似するよりも一層確実な関数近似ができることになった.代表曲面は数値関数で表示され,数式関数化の自動化には未だ至っていない.この成果によりデータベースを使用するときの難点「丁度欲しいところのデータがない」「データの確からしさが不明」が克服された. この手法を現実のデータベース(ガラスデータベース INTERGLAD)に適用し,硬さ(19変数 2,204点)・屈折率(59変数 20,461点)をそれぞれ49および80個の代表点を通るなめらかな高次元曲面で表示することに成功した.誤記入データと見なされる点は存在しなかった.統計的回帰分析から得られた標準偏差よりも小さな標準偏差を持つ代表曲面が得られた. 別添の刊行書「高次内挿補間法の活用」は既に学部学生への講義用テキストとして使用している.
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