研究分担者 |
大門 文男 損害保険料率算定会, 部長
山崎 文雄 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (50220322)
A.S. Herath (HERATH A.S.) 東京大学, 生産技術研究所, 客員教授 (80240737)
童 華南 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (80260511)
目黒 公郎 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40222343)
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研究概要 |
本研究を申請する時点では,1995年1月17日の兵庫県南部地震のように,我が国の都市にあのような大規模な被害を及ぼす地震が発生するとは考えていなかった.しかし,本研究で掲げていたような研究課題が全く重要であることを,皮肉にも阪神・淡路大震災が証明することになった. 阪神・淡路大震災は,本研究を遂行する上で極めて大きな影響を及ぼした.本研究の目的を達成するには,阪神・淡路大震災のデータと本格的に取り組むことが急務となったが,災害の規模が余りにも大きく,しかも複雑で多岐にわたることから,地震後2年を経過してもその全貌は明かになっていない.現在もその影響が続いていることから考えてみても,まだまだ結論を出せる状態には至っていないことがわかる. 本研究を遂行するには経済的影響を含めた詳細な被害データの収集が不可欠である.しかし構造物の損失などの1次被害の実態が,地理情報システム(GIS)等を用いて,地盤や建物年代,構造タイプなど多角的な分析とその結果の集計が最近ようやく本格的に進められ始めた状況(もちろん速報的なデータはもっと前に出ていた)であり,全貌が分かるまでには,まだかなりの時間を要すると思われる.しかもせっかく集計されたデータに関しても,一部のデータに関しては,研究目的とはいえ現時点でも自由に利用できない状況がある.経済的な影響に至っては,まだ実態がつかめていない.このような状況下で本題のような研究を遂行することはかなり困難である.そこで本研究では,まず,阪神・淡路大震災前の状況を調査し,阪神・淡路大震災以降に大きく変わった点を見い出すことを行った.阪神・淡路大震災の状況を踏まえて保険による巨大リスクへの対応索を当初の計画のレベルで達成するには,少なくとも現時点ではデータの整備状況があまりに乏しいことは認識された.
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