研究課題/領域番号 |
07458141
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高橋 孝志 東京工業大学, 工学部, 教授 (80110724)
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研究分担者 |
土井 隆行 東京工業大学, 工学部, 助手 (90212076)
山田 晴夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10175664)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | タキソ-ル / 抗ガン剤 / 渡環反応 / タキソ-ル生合成 / 分子設計 / 分子力場計算 / 分子内アルキル化 / 12員環化合物 |
研究概要 |
タキソ-ルは、末期癌に非常によく効く新規の制癌剤として世界的に注目を集めている化合物である。しかし、タキソ-ルは西洋イチイの木から極微量抽出されるのみで、自然保護の観点から、天然からの供給は困難な状況にある。そのため、タキソ-ルおよびその類縁体の合成法の開発、分子レベルでのタキソ-ルの生合成ルートの解明が急務となっている。本研究では、1)理論計算による立体配座解析や反応解析に基づき、タキソ-ルの合成中間体の設計を行う。2)その設計された合成中間体を用いて、実際に天然タキソ-ルや類縁体を効率的に合成する。3)タキソ-ルの仮想生合成中間体を合成し、酸触媒による渡環反応を検討することを目的とする。 1.理論計算を基にデザインした12員環1,5-ジエンモノエポキシドの酸触媒を用いた生合成類似の渡環反応を試みた。その結果ルイス酸としてBF_30・Et_2Oを用いると目的の環化反応が進行し、タキソ-ルC環部に相当する骨格の合成に成功した。2.フリーデルクラフツ反応によりAC環部位を連結し、保護したシアノヒドリンによる分子内アルキル化反応によりB環の閉環を検討した。その結果、80%と高収率でB環の構築に成功し、この方法がタキサン骨格の合成に有用であることを明らかにした。3.[3+2]環化付加反応による光学活性なA、C環合成について検討を行った。MM2遷移状態モデルを用いた環化付加反応の立体選択性の理論計算に基づき、2つの水酸基を環状に保護すると望む立体化学でC環部位の立体選択的合成に成功した。さらにこの合成中間体からC環部だけでなく、A環部が得られると予測した。実際、[3+2]環化付加反応により、予測通り望む立体化学を有するC環部位の合成も達成した。このA環部とC環部を連結後、B環の分子内アルキル化法による閉環反応でタキソ-ルへ導けると考えている。
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