研究課題/領域番号 |
07458163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
石村 巽 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40025599)
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研究分担者 |
永野 真吾 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60286440)
三木 秀穂 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90229667)
広瀬 忠明 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60051405)
江川 毅 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10232935)
島田 秀夫 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80095611)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | シトクロムP450 / P450cam / 酸素活性化 / 酸触媒 / Site-directed mutagenesis / O-O結合開裂反応 / 人工アミノ酸 / スレオニン / Hydrogen bonding |
研究概要 |
X線結晶解析により微細構造が明らかにされているシトクロームP450cam(P450cam)を用い、ヘム含有モノオキシゲナーゼであるシトクロームP450による酸素(O_2)の活性化機構を追求した。P450camは緑膿菌(Pseudomonas putida)に存在するd-カンファー水酸化複合酵素系の末端モノオキシゲナーゼであり、以下の反応を触媒する。 d-camphor+NADH+O_2+H^+→5-exo-hydroxycamphor+NAD^++H_2O 先に我々はP450camの酸素活性化部位に位置するThr252を水酸基をもたない他のアミノ酸で置換すると、活性部位に結合した酸素(O_2)は2電子還元されてもそのO-O結合が開裂されず、過酸化水素(H_2O_2)として放出されることを見い出し、Thrの水酸基がO-O結合開裂の際に酸触媒として働く可能性を示唆した(PNAS.USA,86 7823-27)。この仮説の是非を検証するため、Thrの位置にO-methyl-Thr、O-methyl-Asp、3-amino-Ala、S-methyl-Cys等の人工アミノ酸を部位特異的に導入し、得られた酵素の諸性質を解析した。その結果、252-Thrの水酸基(ROH)は酸触媒として作用するのではなく、その酸素原子(O)が水分子(H-O-H)の水素原子と水素結合することによりこれを正しい位置に保持し、上記の反応の必須なプロトン(H^+)のリレー系(252Thr-OH-HOH-251AspCOOH-178Lys or 186Arg-HOHoutside)を正しく保持するものであることがほぼ確実になった。換言すると、モノオキシゲナーゼ反応を可能とする酸素活性化、すなわちO-O結合の開裂が能率的に起こるためには、供給されるプロトンがヘム鉄に結合した酸素分子(Fe-O-O)に正しい方向から一定の部位目指して接近することが必要であり、252-Thrの酸素原子(O)はプロトンリレー系を正しい位置に保持する役目を果たすものである。
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