研究課題/領域番号 |
07458207
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
池中 一裕 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (00144527)
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研究分担者 |
鹿川 哲史 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (50270484)
馬場 広子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40271499)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | ミエリンプロテオリピド蛋白質 / アンチセンスオリゴヌクレオチド / ホスホロチオエ-ト化 / 遺伝子治療 / 脱髄 / ミエリン |
研究概要 |
ミエリンプロテオリピド蛋白質(PLP)は中枢神経系ミエリンの構造蛋白質であるが、我々は、最近その遺伝子領域が重複し過剰発現することにより、遺伝性脱髄性疾患が引き起こされることを証明した。これはヒトの遺伝性疾患ペリツエウスメルツバッヘル病に対応するモデルマウスである。このモデルの遺伝子治療を目的とし、PLP遺伝子の発現をアンチセンスオリゴDNA(AS-ODN)を用いて調節することを試みた。3'末端3塩基をホスホロチオエ-ト化したDNAを正常マウス胎生17日目(E17)の大脳より調整したオリゴデンドロサイト(OL)前駆細胞の高密度培養系に、濃度をふって添加し3日間培養した。開始コドンを含むAS4オリゴヌクレオチドを10μM添加した場合に形態に変化が現れた。OLのマーカーであるGalCを認識するモノクローナル抗体(Ol抗体)で染色し、その形態を観察したところ、検討したアンチセンスODNのうち一つにはOLのミエリンシートの形成阻害活性が確認された。このことからPLP遺伝子の発現がアンチセンスODNによって調節できることが示唆された。 次にこの脱髄マウスにおける神経伝達速度を測定し、跳躍伝導を行っている有髄線維に脱髄が起きた場合の影響について検討した。PLPトランスジェニックマウスは生後5,6ヶ月から急速かつ広範な中枢神経系の脱髄を起こす。これに伴い後肢の動きが緩慢になり、その後麻痺する。われわれは麻痺症状の進んだ8ヶ月のマウスを用いて実験を行った。同腹の野生型マウス脊髄後索では約12m/sの速さの神経伝達が計測された。しかし、脱髄を起こしているマウスでは神経伝達がブロックされていた。さらに、麻痺の進行したマウスでは軸索の変性が認められた。この変性は脱髄直後では認められず、神経伝達のブロックにより2次的に起こったと考えられる。今後、このマウスを用いて脱髄時における軸索変性回避が可能かどうか検討したい。
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