研究分担者 |
堀田 武彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90222281)
合原 一幸 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (40167218)
杉原 厚吉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40144117)
広津 千尋 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60016730)
有本 卓 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00029399)
甘利 俊一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80010726)
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研究概要 |
KM_2O_-ランジュヴァン方程式の理論的研究の第一の成果として,定常性を満たす流れをそれに付随するKM_2O_-ランジュヴァン行列の間に成立する揺動散逸定理として特徴付けた.第二に,テープリッツ条件を満たす非負定符号行列関数が与えられたとき,揺動散逸定理が成り立つKM_2O_-ランジュヴァン行列を構成し,その行列を用いて立てられるKM_2O_-ランジュヴァン方程式を解いて,与えられた非負定符号行列関数を相関行列関数とする定常流を構成した.第三に,揺動散逸定理を仲介として,定常流の定常性を満たすすべての延長と相関行列関数の非負定符号性を満たすすべての拡張を求める定理を証明した.第四に,これらの拡張定理を応用して新しい予測公式を求めた. 時系列データの奥に潜む非線形なこう像を探る非線形時系列解析の研究の第一歩として,定常性の検査と因果性の検定の統計的基盤を強固にした.第二に,時系列の時間発展を記述するダイナミクスが決定的であるかどうかを判定する決定性のテストを提唱した.第三に,時系列データがカオスであるかどうかを判定するカオス性のテストを提唱した.第四に,ネイチュアーに発表されたSugihara-Mayの論文で扱われた麻疹とみずぼうそうの時系列データを取り上げ,両者は決定的なダイナミクスに従うが,前者はカオス的であるが,後者はカオス的ではないことをKM_2O_-ランジュヴァン方程式論を用いて示し,Sugihara-Mayの提出した問題に一つの解析方法を与え,彼らのカオス時系列解析に基づく結果を支持した.第五に,与えられた時系列データが決定性のテストを通過するとき,その時系列の時間発展を記述する力学的ダイナミクスを推定する理論的方法を求めた.第六に,カオス時系列解析における埋め込み次元の推定問題に一つの解決を与えた.
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