研究課題/領域番号 |
07459017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 九州芸術工科大学 |
研究代表者 |
中島 祥好 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (90127267)
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研究分担者 |
杉田 陽一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (40221311)
津村 尚志 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (20038962)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 時間知覚 / 空隙転移錯覚 / 音脈 / 時間縮小錯覚 / 同化 / ゲシタルト原理 / 近接の原理 / 類同の原理 / 処理時間仮説 / 音事象構築モデル / リズム / 聴覚コミュニケーション / 錯覚 / 音事象 / 連続聴効果 / 文法 / 事象関連電位 / 知覚実験 / 単一神経細胞の活動 |
研究概要 |
聴覚コミュニケーションにおいて重要な50〜500ms程度の時間長に注目し、現像観察実験によって得られた質的なデータを、精神物理学や神経生理学の手法を通してえられた量的なデータと関連づけることに重点を置いて、時間知覚の仕組みを探った。研究全体を通じて、ゲシタルト心理学の考えかたを積極的に取り入れた。その際、一つながりの音の流れとして知覚される「音脈」を構成する知覚要素として「音の始まり」、「音の終わり」、「継続部」、「空白」を考え、それらを一列に結びつける「文法」を提出することにより、さまざまな聴覚現象を統一的に説明し、ゲシタルト原理の一つである「近接の原理」が「音の始まり」と「音の終わり」とを知覚的に組み換えることを示した。このような考察を裏づける典型的な知覚現象は、「空隙転移錯覚」である。500ms程度のグライド音と2000msを超えるグライド音とが、1000Hz付近で交差する際に、長いほうのグライド音の交差点付近に100ms程度の時間的空隙を与えると、空隙が長いほうのグライド音から短いほうのグライド音に乗り移ったかのような知覚が生ずる、と言うのがこの現象である。さまざまな変形パターンを作成して実験を重ねた結果「音の始まり」と「音の終わり」とが時間的に近接することが錯覚成立の要件であることが判った。今回注目したもう一つのゲシタルト原理は、「類同の原理」である。隣接する二つの空虚時間において、第一の空虚時間が300msよりも短く、第二の空虚時間がそれよりも数十ミリセカンド程度長いとき、第二の空虚時間が著しく過小評価されると言う「時間縮小錯覚」に、この原理を関連づけた。
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