研究分担者 |
村田 哲 自治医科大学, 医学部, 講師 (70254919)
片山 洋 自治医科大学, 医学部, 講師 (50142401)
山根 康弘 自治医科大学, 医学部, 助手 (70220431)
出光 俊郎 自治医科大学, 医学部, 講師 (20237027)
鈴木 正之 自治医科大学, 医学部, 講師 (40171251)
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研究概要 |
我々は水疱症をモデルとして研究することによって皮膚の生物学的構造,機能また皮膚特有の病態を知り,これを多臓器疾患にも応用できるように研究を遂行してきた。その結果下記の知見を得られた。1)天疱瘡においてはIgGが抗原と結合することによりsignalが細胞内へ伝達される可能性が言われている。類天疱瘡(BP)においてもBPIgGを添加することによりケラチノサイト内のCa^<2+>濃度が一過性に上昇すること, PhospholipaseCの拮抗剤を投与することにより,このCa^<2+>変動が抑制されることよりBPlgGも抗原と結合することによりSignal taransductionがおこる可能性を報告した(Autoimmunity 1996)。2)BP抗体のIgG subclassに関する知見としては上記の細胞内Ca^<2+>の変導が主としてIgG_1で生じることを報告した(Autoimmunity 1996)。 またこのIgG_1により生ずるCa^<2+>変化がIgG_2およびIgG_4で抑制されることもあることを報告した(投稿中)。 また天疱瘡において臨床経過によりIgG subclassのswitchingがおこる可能性が報告されている。類天疱瘡においてはIgG subclassのswitchingはおこらず,IgG_1とIgG_4を主体とし,抗体価の変動と相関することがわかった(International Investigative Dermatology1998発表予定)。3)皮膚基底膜部の構造についてはケラチノサイトと接する基底膜部成分のうちプロテオグリカンが基底細胞で産生される可能性があることを報告した(J.I.D.1996.)。筋ジストロフィーを伴う先天性表皮水疱症がplectinの異常により生ずることが報告されているが,この研究に対し一定の貢献をした(Human Molecular Genetics,1996)。4)開口部粘膜に関する研究では舌および頬粘膜等の部位によりケラチンや接着因子の発現に差があることを報告した(日口会誌1995,1996,日口粘膜会誌1997)。粘膜部のみの瘢痕性類天疱瘡において,病変のない皮膚にもIgG,IgAの基底膜部への沈着があり,230kdに対する抗基底膜部IgA抗体があることを報告した(東部支部総会1997)。
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