研究課題/領域番号 |
07504003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 試験 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
舟橋 重信 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30022700)
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研究分担者 |
田口 武慶 (株)理学電機, 設計部, 研究員
長村 俊彦 (株)ユニソク, 科学機器開発研究所, 主任研究員
稲田 康宏 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60242814)
高木 秀夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70242807)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
41,400千円 (直接経費: 41,400千円)
1996年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1995年度: 33,000千円 (直接経費: 33,000千円)
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キーワード | 動態分析 / 反応中間体 / 短寿命化学種 / EXAFS法 / イメージングプレート / ストップトフロー法 / エネルギー分散型 / 時間分解 / ストップフロー法 |
研究概要 |
物質を構成する原子や分子がどのような状態でどれだけ存在するかという化学種レベルでの分析法の一層の進展が求められ、時々刻々変化(反応)している系の構成物質を検出、解析、分析することが重要な課題である。その場合、特に不安定活性中間体の動態解明がキ-ポイントとなるとの認識の基、以下の研究を遂行した。 1.イメージングプレート検出器を用いた実験室系迅速高分解能EXAFS装置の開発 既設の回転対陰極型X線発生装置に合せ反射型光学系と透過型光学系の両方を切り替えて使用することが可能な「エネルギー分散型ゴニオメーター」の設計・開発を行った。検出器として、50μm×50μmの素子サイズのイメージングプレートを用い、ドラム回転型記録/読取方式を採用した「イメージングプレート露光読み取り装置」を設計・開発した。溶液内反応中間体の構造解析の目的に対して、「迅速試料混合装置」の設計・開発を行った。短寿命反応中間体を再現性良くサンプリングするために「低温バスサ-キュレーター」を備品として購入した。さらに、異常酸化状態を有する短寿命金属錯体化学種の構造解析や分析化学的見地からの有用性も指摘されている超臨界流体中の金属錯体の構造化学的知見を得るために、「電解EXAFSセル」および「超臨界用観測セル」を設計・開発した。これらの装置類と新たに改良を加えたX線発生装置シャッター部は、本研究経費で購入した「理学/データ処理装置」を用いて統括制御した。 2.放射光実験施設を用いた時間分解EXAFS測定システムの開発 「イメージングプレート検出器を用いた実験室系迅速高分解能EXAFS装置」の開発過程から得られた知見や成果を基に、理想的な強力白色X線源である高エネルギー物理学研究所・放射光実験施設のBL-12Cを用いた時間分解EXAFS測定システムを開発した。X線検出器には、BL-12Cに既設のイオンチャンバーと電流アンプをそのまま使用したが、新たにA/D変換器を設置することにより、ハードウェアー的には最高数μsまでの時間分解測定が可能なシステムの開発を行った。本システムでの時間分解能は、「迅速試料混合装置」の不感時間などの制約により1msオーダーであったが、この時間スケールは従来の高速EXAFS測定に要する時間に比べて3桁以上向上している。 3.種々の反応系の動態解析への適用 上記の2つの時間分解EXAFS装置を用いて、以下に示す具体的な溶液内化学反応系の動態解析を行い、反応メカニズムや反応過程に含まれる短寿命中間体の構造化学的知覚を得た。 (1)[Fe(CN)_6]^<3->とLアスコルビン酸との間の電子移動反応に関する動態解析 (2)Fe^<2+>と[Co(NH_3)_5Cl]^<2+>との電子移動反応過程に存在する反応中間体の構造解析 (3)金属ポルフィリン生成過程の動態解析 (4)種々の非水溶媒中における金属イオンの溶媒和構造の解析
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