研究課題/領域番号 |
07508003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
菅 弘之 岡山大学, 医学部, 教授 (90014117)
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研究分担者 |
清水 壽一郎 岡山大学, 医学部, 助手 (80294403)
實金 健 岡山大学, 医学部, 助手 (10294406)
荒木 淳一 岡山大学, 医学部, 助手 (80271055)
松原 広己 岡山大学, 医学部, 助手 (70252955)
高木 都 岡山大学, 医学部, 助教授 (00033358)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
26,800千円 (直接経費: 26,800千円)
1997年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1996年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
1995年度: 13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
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キーワード | 不全心 / 収縮性 / 興奮収縮連関 / 期外収縮 / カルシウムハンドリング / 再循環率 / Emax / PVA / Emaxの酸素コスト / 心筋スライス / 酸素消費量 |
研究概要 |
イヌ摘出交叉灌流心臓標本を用い、興奮収縮連関エネルギー(主にCa^<2+>ハンドリングに要する)を、心収縮性と関連させ解析した。我々は期外収縮後の一過性収縮性増強はある条件に合致するときのみ指数関数形減衰を呈し、その他は全て一過性交互脈形減衰であることを見い出した。一過性交互脈形減衰の経過について、期外収縮後x拍目の収縮性をyとすると、 y=a・exp[-(x-1)/τe]+b・exp[-(x-1)/τs]・cos[π・(x-1)]+1 と表わされ、r^2=0.999±0.0002(mean±SD)という高い相関を得た。この式の第一項は心筋内Ca^<2+>再循環率(recirculation fraction:RF)に第二項は筋小胞体のCa^<2+>ハンドリングに関係するというモデルを考えた。RF=exp(-1/τe]として求め、Ca^<2+>並びにエピネフリンを冠動脈内投与して同程度のEmax(収縮性の指標)の上昇を得た時の2剤の収縮性の酸素コストに差は無いが、Ca^<2+>はRFを増加させエピネフリンでは不変であった。また機械的収縮のための総機械的エネルギーはPVAとして表わされ、興奮収縮連関及び基礎代謝に利用される酸素はPVA非依存性Vo_2と呼ばれる。定常一心拍当たりの酸素消費量を計測し興奮収縮連関による酸素消費量とRFとを組み合わせ、心筋細胞内外でハンドリングされる総Ca^<2+>量を推定し得た。さらに筋小胞体Ca^<2+>放出チャンネルを半開状態に固定する低濃度リアノジンを用いた病的心モデルではRFは減少した。このことは細胞膜を介した回路は筋小胞体を介した回路に比べ2倍のエネルギーを要することを考えると興奮収縮連関での酸素の浪費を説明できる。丸ごと心臓において、細胞内のCa^<2+>動態を評価する方法は他になく、不全心の病態生理の理解を深め、薬物の作用評価など臨床的にも応用できる手法と考えられた。
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